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「深刻な人手不足問題に挑む」AIチャットボットのChatGPT連携に挑戦した背景


木村情報技術株式会社は2005年に設立。“always new idea.”をモットーに、世の中に喜ばれるITソリューションを提供してきました。 Web講演会運営・配信サービスや人工知能(AI)サービスの開発・提供を主力事業として展開、2016年にはAIチャットボット「AI-Q(アイキュー)」をリリース。これまで100社以上のエンタープライズ企業で活用いただいています。


2023年9月から、「AI-Q」はChatGPTとのAPI連携を本格的に開始しました。この新機能追加により、社内規程やマニュアルなどの文書ファイルをアップロードするだけで、チャットボットの学習に欠かせないQ&Aデータを自動生成することが可能になり、企業独自のAIチャットボットの構築時間が大幅に削減されました。また、AI-Qの価格は据え置き、この新機能については無償提供することを決断しました。


なぜAIチャットボットとChatGPTの連携に踏み切ったのか、そしてなぜ新機能の無償提供を決断したのか、その背景と舞台裏について法人営業部の森 祐二に聞きました。


現代社会で企業の頭を悩ます「人手不足問題」。多くの企業が抱える3つの課題

新聞やニュースでたびたび報道されているように、人手不足は現代社会における深刻な課題になっています。当社のお取引先企業のご担当者からも、このことについては多くのお悩みの声を聞きます。これは今後企業にとって、ひいては国にとってますます深刻な影響があると思われます。


業界を問わず、多くの企業が感じている課題として、大きく次の3つがあげられます。


(1)社内からの問い合わせ対応に時間と手間がかかる

例えば、管理部門の担当者に社内から同じ内容の問い合わせが何度もくる。新入社員の入社や異動の時期、制度変更の際など、多く見られる光景ではないでしょうか。

この状況が長期にわたって続いてしまうと、貴重な社員のリソースは問い合わせ対応に割かれてしまい、本来注力すべき業務に十分な作業時間を確保できず、生産性の低下につながります。


(2)業務の属人化とベテラン社員のノウハウ・技術の喪失

あと5~10年ほどで、ベテラン社員の一斉退職を迎える、という企業の話も多く聞きます。

長年の経験を積んだベテラン社員のノウハウが属人化してしまっていて、その人が持つ知識やスキルが組織内で適切に共有されていない、という課題が発生しています。これにより、ベテラン社員が退職する際には、大きな知識の喪失が発生します。


(3)デジタル化・DX化への対応が困難

国がデジタル化やDX化を推進している気運はあるものの、人手不足の企業はこれらの変化に適応できず、取り残される危険性が高まっています

企業担当者も「このままではいけない」と分かってはいるものの、対応する余裕がないというケースは多いのではないでしょうか。


AIチャットボット導入までのジレンマ。DX化推進の壁はノウハウや知識の暗黙知化

私たちの身近でも、AIを活用したサービスはますます増加しています。AIチャットボットもその一つで、使ったことがある方も多いでしょう。


AIチャットボット「AI-Q」は、社内やお客様からの問合せ対応、コールセンターのオペレーターのサポートなど、幅広い問合せに24時間365日対応し、業務効率化を実現します。



チャットボットは便利である反面、その導入や運用にハードルを感じる企業が多いことも事実です。その要因の一つとして、AIチャットボットの高精度の回答に不可欠な「Q&Aデータ」の作成に、手間がかかることが挙げられます。


当社では、AIチャットボットを手軽にご利用いただくために、Q&Aデータの作成代行サービスも提供しており、AI-Q導入企業の2~3割にご利用いただいています。しかし、そのサービスご利用のためには、元となるデータが必要です。


デジタル化・DX化が進まない企業は、その元となるデータの蓄積が十分でなく、ノウハウや技術がベテラン社員の頭の中にしか存在しない、というケースも多く存在します。解決のためにはまず業務の棚卸を行い、ベテラン社員のやり方を言語化しなくてはいけません。あわせて、そのベテラン社員のやり方がベストなのか、会社のルールやマニュアルに則っているか、これらの確認や業務を標準化する作業も必要です。


Q&Aデータ作成に必要なデータ蓄積が十分でない企業は、AIチャットボット導入までにそうした長期的なスパンが必要です。「人手不足の解消の一つとしてAIチャットボットが有効なのは理解している。しかし導入までの作業を担う人手がない、だから手が付けられない」というジレンマに陥ってしまいます。


ChatGPTとの連携により、AIチャットボット構築時間を最大80%削減


2022年11月頃から、技術者の間ではChatGPTの優れた特性が徐々に話題になり、年が明けると世界中で高い関心を集めるようになりました。


当社内でも以前からChatGPTは話題になっていましたが、2023年2月からは具体的な検討が本格化し、ChatGPTをどのように活用できるかについて検証を始めました。3月頃にはその方向性が具体的になり、特に注目したのは文書ファイルからQ&Aデータを自動生成する機能でした。


AIチャットボットとの連携により、新たな展開の可能性が広がることが期待され、開発作業が本格化しました。その結果、8月に一部機能を、9月には全ての機能と情報を発表しました。


当社が実施した、人事総務系の学習データ作成・育成に関する検証結果では、企業独自のAIチャットボットの構築時間が従来と比べ最大80%削減可能であるという成果が得られました。

ChatGPTが自動生成したQ&Aデータを元に、分かりやすいよう表現を変えたり図を挿入したり、社員はそうした人にしかできない作業に集中できるようになります。


ChatGPTとの連携により、企業のAIチャットボット導入のハードルを大幅に下げることで、社会的な人手不足の課題解決に貢献したいと考えています。


部署の垣根を超えてプロジェクトを推進

社内で「ChatGPTをサービスに活用しよう」という話が出た際、ChatGPTのどの部分を活用し、どのように活かすのかについて、初めは明確なイメージが持ちにくい状況でした。開発者の間で異論や反対意見は出ませんでしたが、具体的な実現方法や可能性についての検討と検証に時間がかかりました。


これまでエンジニアは、正確かつ適切なプログラミングによってシステムを構築してきました。しかしChatGPTは、プロンプトや指示の言い回しに多少の曖昧さがあっても処理できる特性があります。それは開発を進める助けにもなりますが、「なぜこのアウトプットが得られたのか分からない」という側面もあり、プロジェクトを進めるうえで最も苦労した点でもありました。


開発当初はエンジニアだけでプロジェクトを進めていましたが、Q&Aデータに関するプロンプトは、日常的にQ&Aデータ作成に携わっているメンバーのほうが、より望ましい成果物を理解していたため、適任だと気づきました。そこからは部署に関係なく、協力してプロジェクトを推進していくことになりました。


AIチャットボットが気軽に利用できる社会に。価格維持にこだわる理由

今回、ChatGPTとの連携による新機能は無償提供することとし、AI-Qの利用料は価格を引き上げず維持しました。もちろん、ChatGPT連携の開発にはコストが発生しています。社内からは一部反対意見も聞かれましたが、それでも無償提供にこだわりました。


ChatGPTの登場は私たちにとって非常に衝撃的で、活用しない理由はないと感じました。ChatGPTの力を借りることで、企業がもっと手軽にAIチャットボットを使える大きな機会が生まれると考えました。そのためには、価格がお客様の懸念点になることを避けたい、この機会を逃したくないという想いがありました。


AIチャットボットが気軽に利用できるようになることで、多くのお客様に喜んでいただきたいと考えました。私たちがそのコストを負担してでも、そうした社会を実現する価値がある、そう信じて社内を説得し、価格を据え置いての新機能提供に踏み切りました。


新しい技術だからこそ、万全のセキュリティを担保する

ChatGPT連携の開発が進む中、同時にお取引企業への情報発信も始めていました。既にAI-Qを導入いただいているお客様からも、Q&Aデータのメンテナンスが手間であり、最大のネックだ、という話を聞いていました。


AIチャットボットの構築時間が最大80%削減できた、という当社の検証結果をお伝えすると、「業務が楽になる」「社内で、もっとAIチャットボットの利用が促進できる」という前向きな反応をいただき、本当にやってよかったと思いました。


既存のAI-Qユーザーの中でも、既にChatGPT機能を使い始めた企業とそうでない企業があります。

ChatGPTや生成AIに関する社内ルールやガイドラインの整備が必要な企業も多く、不安や懸念を感じているとの声も聞かれます。具体的には、ChatGPTが誤った情報を返す”ハルシネーション”や、機密情報がChatGPTに学習される可能性などがあげられます。このことに関しては、IT企業として確かな情報、正しい情報をお届けし、安心していただくことへの責任を感じています。


セキュリティの面では、機密情報を入力しても、それがChatGPTに学習されない安全な環境を整備しています。その他、内閣サイバーセキュリティセンターなどのセキュリティ機関が安全と認めている通信環境を担保しています。



ChatGPTによる業務効率化の効果を実感してほしい

お客様の状況を個別にヒアリングし、準備が整った企業から随時AI-Qのアップデートを進めています。10~11月には、多くの導入企業で新機能の実装が完了する見込みです。その後お客様の利用が本格的に始まるので、年内には多くのお客様が業務効率化の効果を実感されると期待しています。


9月末の展示会でも、新機能を搭載したAI-Qをたくさんの方に見ていただきました。その際、「もうこんなことができるのですか」と感激される方や、「他社のチャットボットを導入していますが、これなら楽そうですね。トライアルを試してみたいです」とおっしゃる方もいらっしゃいました


来場者の中に、ChatGPTに触れたことがあるという方は多かったのですが、実際にビジネスや日常で活用している方は、体感では1割程度であるように感じました。「ChatGPTを活用したいが、活用方法が分からない」と感じている企業も多いですが、AI-Qの導入によってChatGPT活用の実感を得ることができるようになります。


ChatGPTをどのように活用するのかについては、これからの段階でさらなる成長が期待できます。この点においては、人の介入や人の工夫が依然として必要です。当社も、ChatGPTの活用に関する方向性を示せているのではないかと自負しております。


ChatGPTのリスクも見極めながら最適な活用方法を提案し、業界をリードしていきたい

当社はAI-Qとは別に、製薬企業には各社専用に構築したAIチャットボットを導入いただいており、医薬品業界でもこれまで多くのAIチャットボットの導入実績があります。


医療や医薬品に関する情報は、人命や健康に直結するため誤りが許されません。私たちはChatGPTは決して万能ではなく、リスクがあることも理解しています。大切な情報を利用者に分かりやすく伝え、かつ高精度の回答を提供することをモットーに、システムの構築に取り組んできました。こだわりをもって細心の注意を払って取り組んでいる、これは私たちの大きな特徴だと考えています。


複数の製薬企業で、AIチャットボットとChatGPTの連携について実証実験が始まっています。現在は慎重に検証を進め、リスクを評価している段階です。私たちは真剣にデータに向き合い、回答結果、アウトプットの質にこだわっています。


当社はAIチャットボットへの連携だけでなく、ChatGPTに関するコンサルティング業務も提供してます。ChatGPTの力を最大限に引き出すためには、プロンプトエンジニアリングが極めて重要です。当社にはChatGPTの検証や開発に特化した専門部隊がおり、プロンプトエンジニアリングに関するご提案や研修のご依頼も承っております。


ChatGPTの登場により、従来のAIチャットボットにとらわれない新しいアプローチが可能になりました。これにより、これまで難しいと思われていたお客様のご要望にも応えられる可能性が具体的に見えてきています。

AI-Qを含むAIチャットボット以外に、ChatGPTを活用した企業のシステムやサービスの開発についても、多くのお問合せをいただいています。


将来的には、ChatGPTを活用したシステムやサービスが一般的になるであろう2~3年後を見越して、私たちが業界をリードしていきたいと考えています。それに向けて、しっかりと準備を進めていきます。


AIチャットボット「AI-Q」のお問合せ先

サービスの詳細やお問合せ、導入事例などはこちらをご覧ください。

「AI-Q」サービスサイト

https://www.k-idea.jp/product/ai/ai-q.html


■関連情報

【AIチャットボットの構築時間を最大80%削減】ChatGPTとのAPI連携による新機能をAIチャットボット「AI-Q」に搭載。 文書ファイルからQ&Aデータの自動生成が可能に


新機能リリースに関するイベント

新機能を搭載したAIチャットボット「AI-Q」については、次の展示会でもご紹介いたします。ぜひお気軽にご参加ください。


(1)「第14回 Japan IT Week 秋」出展

・日時 2023年10月25日(水)~27日(金)

・会場 幕張メッセ

・公式サイト  https://www.japan-it.jp/autumn/ja-jp.html


(2)「IT Solution Fair 2023 in HAKATA」出展

・日時 2023年10月27日(金)

・会場 JR 博多シティ9階・10階(受付)

・公式サイト  https://uos.jp/kyushu2023/


(3)「メッセナゴヤ 2023」出展

・日時 2023年11月8日(水)~10日(金)

・会場 ポートメッセなごや

・公式サイト  https://www.messenagoya.jp/




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この記事を書いたひと

PR TIMES STORY

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