陸自演習場で放射性同位元素「トリチウム」ガスが漏洩、けん銃の“照準”部品が損傷
陸上自衛隊霧島演習場(宮崎県えびの市)で、訓練中にけん銃の部品が破損し、トリチウムガスが漏れたことがわかった。警察が発表した。人体などへの影響はないという。
照準部品が損傷しガスが漏れ出た
ガス漏れが起きたのは霧島演習場。4日午後4時ごろ、自動式けん銃を使った訓練の最中に照準部品が損傷。損傷した部位から放射性同位元素のトリチウムのガスが漏洩したという。福岡県警機動隊の男性がけん銃を腰に付けていたところ、落下した。
暗所でも照準を定められるようにトリチウム使用
警察によると、けん銃の照準部品には暗所でも照準することができるようにトリチウム(0.666ギガベクレル)のガスが使用されている。資源エネルギー庁のホームページによると、「トリチウムの出す放射線は、ベータ(β)線という放射線。人が体の外にあるトリチウムからβ線を受けたとしても、皮膚で止まり、「外部被ばく」はトリチウムではほとんど発生しない」とされている。警察も人体や環境への影響はないと話している。
2018年にもけん銃部品から“漏洩”
福岡県警では2018年にも訓練場で隊員がけん銃を破損し、トリチウムガスが漏洩する事故が起きている。この時は、当時の小川洋知事が放射性同位元素等規制法に基づき、原子力規制委員会に報告した。再発防止策について「放射性同位元素等が含まれない部品等に交換する方向で検討中」としていた。4日の事故についても原子力規制委員会に報告を済ませ「再発防止策を検討したい」とコメントしている。
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