「目の前の側溝は海につながっているよ」若者への“自然伝承”に取り組むダインビングインストラクター
RKBは10月を「カラフルマンス」と位置づけ、人や地球に優しい取り組みを紹介しています。きれいな海を次の世代に残す取り組みを続けるダイバーを紹介します。活動のテーマは、「自然伝承」です。
目次
海底の砂地に生き物の“隠れ家”を
福岡市西区の海岸を訪れたダインビングインストラクターの大神弘太朗さん。この日、海にやってきたのは、潜水の指導をするためではありません。海の底に海藻を植え付けるためです。
大神弘太朗さん「これがアマモの苗。割り箸をつけて固定させた状態で、海の中に入れていきます。きょうは300本、志賀島(福岡市東区)から取ってきたので、入れていきます。じゃあ、行ってきます」
割り箸にくくりつけたアマモの苗を手に、いざ海中へ。海岸から約50メートル、深さ3メートルほどの海底に苗を植え付けていきます。
大神弘太朗さん「砂地が多いんです。砂とか泥が好きな生き物たちには恵まれてるんですけど、そうじゃない生き物にとっては“さらされている”状態。ここに藻場を作って、生き物たちが隠れたり、イカが産卵したりできる場所を整えていきたい」
アマモの苗300本を植え付ける
ともに活動する仲間と作業を始めて約1時間。アマモの苗300本の植え付けが終了しました。
Q.どうでしたか?
大神弘太朗さん「アマモが生えていない泥地に、エリアも決めて入れたので、これからどう育つか見守っていく。ここでアマモが増えていけば、いろいろな生き物たちも来る。世の中のみなさんと共有できる場をしっかり作っていくことを大事にしたい」
「川からの漂流物が多い」
福岡市で生まれ育った大神さん。学生時代に訪れた沖縄県西表島で、海の魅力ときれいな海を次世代に残す取り組みにふれました。大学を卒業後、ダイビングインストラクターになった大神さんは「自然伝承」をテーマに活動を始め、9年前には海の不思議や素晴らしさ、豊かさを伝える一般社団法人「ふくおかFUN」を設立しました。
大神さんたちがアマモの植え付けを続けている、博多港の海中です。アミメハギやハナタツなど様々な生き物が戻ってきています。きれいな海を取り戻し次の世代に残していくためには、若者の理解が欠かせません。
大神弘太朗さん「流れてくる漂着物は、川から来ているものが多いです。発泡スチールとか。どけていくとね、落ちてたりする。ここにもあった。こういう所に目を向けて、拾っていってもらいます」
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