「目の前の側溝は海につながっているよ」若者への“自然伝承”に取り組むダインビングインストラクター
RKBは10月を「カラフルマンス」と位置づけ、人や地球に優しい取り組みを紹介しています。きれいな海を次の世代に残す取り組みを続けるダイバーを紹介します。活動のテーマは、「自然伝承」です。
目次
「たばこのフィルターはずっと残る」
9月に開いた福岡市東区志賀島でのワークショップで、大神さんは高校生たちとともに、海洋ごみの問題について考えました。
大神弘太朗さん「たばこのフィルターも、実はプラスチック。なかなか分解されなくて、ずっと残りつづけるものです」
3年前に福岡県内の海岸で回収されたごみは928トン。海には膨大な量のごみが漂流し、生態系に悪影響を与え続けています。大神さんは高校生たちとともに、海岸に漂着したペットボトルや、ミリ単位のプラスチックなど数々のごみを拾い集めていきました。
マイクロプラスチックで万華鏡を制作
RKB高田佳明「先ほどビーチで拾い集めた、こちらのプラスチックごみ。それを使った“万華鏡”作りに挑戦しています」
「おーすげえ!」「すごいすごい!」
ビーチで拾ったマイクロプラスチックを使った万華鏡を完成させて、ワークショップは終了です。最後に大神さんは高校生たちにこう呼びかけていました。
大神弘太朗さん「まずみんながこれからできること。この写真をだれかに見せてください。次の誰かに伝えるきっかけができたと思う。家族でも兄弟でもいいし、おじいちゃん、おばあちゃんとか、友達とか。『実は、海に落ちていたプラスチックでできたものなんだ』と伝えると、多分みんなびっくりすると思う。それがもしかしたら、みんなが海を守るためにできる一つのアイデアになるかもしれないので、ぜひトライしてみて」
参加者「楽しかったのが第一で、これからもできることならやっていきたいな」「海のごみとか、問題は知ってはいたけど行動に移せない部分があったので、大神さんの話を聞いて行動に移そうと思って」「今までもプラスチックを使うのを減らすのはやっていたけど、改めてもっと意識してみます。学校にいる友達とかに伝えたい」
「何気ない小さな行動の積み重ねこそ」
海の環境を改善するため、アマモ植え付けやワークショップなどの活動を続ける大神さん。「何気ない小さな行動の積み重ねが、きれいな海を次の世代に残すことにつながる」と呼びかけています。
大神弘太朗さん「自分の目の前の世界と海は、側溝・川・海を通じてつながっています。ビーチに来て清掃することが海を守ることではなくて、自分の家の周りとか、学校とか地域とかをきれいにすることが実は海を守ることにつながるかもしれない。ちっちゃいことだけど発展していく。そういう風に感じてもらえると、うれしいです」
10月20日~22日には、「海の再生や保全を目指そう」と毎年全国で開かれている「全国アマモサミット」が福岡市で開かれます。大神さんはイベントの実行委員長を務め、期間中は万華鏡作りなどのワークショップを行う予定です。
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