
虐待相談は年々増加し20万件超に…「里親」不足の解消が急務 「子どもの村」の取り組み~福岡市
事情があって家族と住めない子供たちが里親と暮らす「子どもの村」が福岡市西区にある。運営団体が先日、里親への理解を進めるための活動報告会を開催した。「子どもの村」を継続的に取材しているRKB毎日放送の神戸金史解説委員長が、RKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』で伝えた。
目次
日本はなぜ里親が少ない?
会場の参加者からは、いくつもの質問が飛びました。
参加者:里親の役割で「一定期間、家族の一員として迎え入れる」という話があったんですけど、「一定期間」とは、何か制度的に決まっていて、最大の年限が決まっているものなのか、教えていただければ。
藤本:ちょっと私見を含みますが、お伝えします。まず法律上「児童」は18歳未満ですが、今は22歳まで社会的養護で生活することができます。例えば、「大学に進学したい」ということであれば可能です。
ただ、やっぱり里親は、情が入るわけです。だから現実的には、措置期間後もそこが自宅になったりすることもあるし、経済的な援助を行っておられる方もけっこう多くいらっしゃるのは現実かなと思います。ただ、社会に出た後の金銭的なケアは、制度としてはありません。「やはり必要だよね」となりつつある状況です。
参加者:なぜデンマークやフランスは里親の数が多いのですか?
藤本:施設自身がない国もけっこうあるんです。そもそもない。
参加者:里親が多い理由が、「施設がないから」かもしれない、ということですか?
藤本:そういうことです。
参加者:なるほどー。
「家族を超えて、地域で育つ」トークセッションも

地域社会から子供が孤立ことですることで生じてしまう家族の問題が、日本ではあまり目に入ってこないのですが、何とかしなければなりません。「SOS子どもの村」では、里親と子供が暮らす家を3棟用意しているほかに、2つの建物をショートステイ事業に充てています。
行き詰まっている親が、子供を一時的に預けられ、一息つけるようになっています。この日は、ショートステイの活動紹介もありました。
「SOS子どもの村」の活動は、寄付を柱にしています。支援会員は個人がおよそ1200人、企業は230社あまりが支えていますが、活動が広がっていることから、さらに支援を求めています。
10月28日(土)午前10時から、「家族を超えて、地域で育つ」をテーマにしたトークセッション『福岡みんなで子育てカイギ2023』が、電気ビル共創館(福岡市中央区渡辺通)3階で開催されます。参加無料で定員は45人、先着順。申し込み締め切りは10月22日、「SOS子どもの村JAPAN」のホームページから申し込みできます。
【認定NPO法人 SOS子どもの村JAPAN】
事務局 福岡市中央区赤坂1-3-14 ブランシェ赤坂3F
子どもの村福岡 福岡市西区今津2017-2
◎神戸金史(かんべ・かねぶみ)
1967年生まれ。毎日新聞に入社直後、雲仙噴火災害に遭遇。福岡、東京の社会部で勤務した後、2005年にRKBに転職。報道部長、ドキュメンタリーエグゼクティブプロデューサーなどを経て現職。近著に、ラジオ『SCRATCH 差別と平成』やテレビ『イントレランスの時代』の制作過程を詳述した『ドキュメンタリーの現在 九州で足もとを掘る』(共著、石風社)がある。
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