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天然記念物でありながら「国内外来種」になってしまったカメ 国の許可を得て特別に2匹を引き取った高校生たち

国の天然記念物に指定されているカメが、本来いなかった沖縄県内の島で繁殖し問題になっています。このことを知った福岡の高校生たちが、国の許可を得てカメを一部引き取ることになりました。

宮古島の森では


カメ2匹を引き取りに宮古島に向かった高校生たち。引き取るにあたり野生のヤエヤマセマルハコガメを調査するため森に入りました。

高校生
「すごーい!きれいじゃん」

森に入ってすぐに野生のヤエヤマセマルハコガメが見つかりました。

高校生
「こんなところにいるとは思いませんでした。水場とかにいるのかなとは思ったけど、全然水がないところにいたからびっくりですね」
「あ、おった。こんなところにいるんだ。めっちゃおるやん!ここ」
「あ、いたー」

その後も次々と見つかるカメ。島で繁殖していることがわかります。

島の女性も、頻繁にヤエヤマセマルハコガメを見るといいます。

島の女性


「毎日見る、増えています。でも見つけても、このカメをどうしたらいいか分からないから。私がどうにかできるわけじゃないので、見ないようにしています」

高校生たちは、30分の間で20匹以上のカメを確認しました。

高校生
「いっぱい見られて良かったなという思いもありますけど、宮古島では国内外来種で普通にたくさんいたのを実際に見たことで大変な問題なんだなと思いました。
 

「大切に育てます」


高校生たちは、宮古島市の職員から2匹のカメを受け取りました。

宮古島市の職員「大切に育ててください」
高校生「ありがとうございます」

引き取ったカメは繁殖が禁じられているため1匹ずつケースに分けて飼育しています。今回、多くの人に「国内外来種」の問題を知ってもらいたいと文化祭で展示されました。

カメを見た人
「話を聞いていると人間が環境破壊に加担しちゃっているのかなっていうところもあると思うので、少しでも後の世代がそれをよくしていけるようにできるのであれば素晴らしいと思います」
 

「たくさんの人に現状を知ってほしい」


高校生
「ヤエヤマセマルハコガメの今の現状を少しでも考えてもらえたらうれしいなと思います」「どんどん生き物が住みにくい環境になってきているので、どうにか元の住みやすい環境に戻すために、もっとたくさんの人が知っていかなければいけないと思いました」

天然記念物でありながら、「国内外来種」になってしまったカメ。高校生たちが特別に持ち帰った2匹は、寿命を全うするまで、大切に、そして繁殖しないよう慎重に高校の中で育てられ、人間が生態系を脅かしている現状を伝えていきます。

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