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「肝臓を食べた」として戦犯になった“軍医”には心を通わせたアメリカ人「看守」がいた…スガモプリズンの監房で描いた絵が76年の時を経て遺族へ

終戦の年、九州帝国大学医学部でアメリカ兵の捕虜が生体解剖された事件。摘出された肝臓を食べたとして戦犯に問われたものの無罪となった男性がいました。その男性が76年前にスガモプリズンで描いた絵が24日、遺族に手渡されました。

76年を経て届けられた“絵”「父と母が我々に話さなかったことを教えてくれた」

 

福岡市で24日、この絵が遺族に返還されました。会場には、ドナルドさんの娘、スーザンさんの知り合いやその友人など、真武さんの遺族までをつないだ人たちも集まりました。

 


スーザンさんの知り合い(横須賀基地内の高校教師)フィリップ・アークランドさん(40)「子供たちはみんなドナルドさんが絵を返したがっているのを知っていた。でも真武さんの住所がわからなくなって日本語もできず難しかった」

ドナルドさんには、10人の子供がいました。アメリカからは、スーザンさんを初め、子供たちがウェブ上で参加しました。

ドナルドさんの娘・スーザンさん(65)「75年かかりましたが、私達はこれらの絵をお返しすることができて、大変嬉しく思っています。父は優しく理解ある人でした」
ナナさん「色んな人の善意を感じますね。奇跡的ですよね」
三男・清志さん「一番辛いときの時代を思い起こさせる、いわゆる父と母が我々に話さなかったことを教えてくれますね。それはありがたいですね」

 



無実の罪で戦犯裁判にかけられ、囚われた真武七郎さん。76年を経て遺族に届けられた絵は、戦勝国に裁かれるという過酷な状況の中でも、国を越え、友情が育まれたという一筋の光をみせてくれました。

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