福岡の観光地と言えば……「天満宮」がある太宰府にゴミ箱が少ない訳とは
福岡を代表する観光地、太宰府天満宮。参道は平日でも多くの観光客らでにぎわっています。しかし、ゴミの“ポイ捨て”があちこちで……理由は、参道に公共のゴミ箱がないこと。なぜ、設置しないのでしょうか。
国も対策に乗り出す
参道では現在公共のゴミ箱がないため、それぞれの店舗が個別に清掃業者と契約しているのが現状です。どうして、太宰府市は公共のゴミ箱を設置しないのでしょうか?
太宰府市 西山英毅観光推進課長「ゴミ箱は、設置して終わりではなく、回収・維持管理を含めた検討が必要なのです」
設置費用だけでなく、ゴミの回収や維持などのランニングコストが重くのしかかるというのです。観光地のゴミ問題は全国的にも課題となっていて、政府は10月、自治体の対策に応じて費用などを支援する方針と発表しました。現在、太宰府市も、この支援を用いてゴミ箱の設置が出来ないのか、検討をしています。
「スマートゴミ箱」を設置する自治体も
一方で、コスト以外の問題も……。
RKB本田奈也花「参道は広いのですが、一歩路地に入ると狭い道となります。さらに観光客もいるため、ゴミ収集車などは入りにくいのではないでしょうか」
太宰府市 西山英毅観光推進課長「回収する車が細い道に入れない事例も他県ではあります。太宰府天満宮の参道には多くの観光客がいるので、置き場所にも苦労している状況です」
さらに、ゴミの回収が遅れ、あふれてしまうと、景観を損ねるだけでなく、周辺への“ポイ捨て”を助長することにもつながります。こうした問題を解決するため、市が設置を検討しているのが、「スマートゴミ箱」です。
ゴミが溜まると、自動で約5分の1まで圧縮。さらに満杯が近づくと、自治体や清掃業者にメールが届き、効率よく回収が出来るのです。ほかにも――。
・ソーラーパネルで発電するのでコンセントが不要
・600リットルの大容量(休日に太宰府天満宮で回収するゴミ1日分)
・原宿や表参道など、全国ですでに約300台設置済み
観光地として有名な京都・嵐山では9月に設置。近くの商店街によると、ゴミがあふれて散乱することがなくなったということです。
自治体にとって、管理が難しいゴミ箱ですが、観光客が戻りつつある今、早急に解決すべき問題となっています。
福岡市では…
福岡市の警固公園でも、ゴミ箱は設置していません。それにもかかわらず、清掃とゴミ回収に年間約500万円もすでにかかっているからです。
福岡市地下鉄はテロ対策として、駅員の視界に入る改札の前にゴミ箱を設置しています。博多駅と天神駅は3か所。10月の時点で2022年よりゴミの量が2割も増えているとのことです。
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