"天神ビッグバン"による都心の再開発とも相まって、福岡の飲食コアゾーンは天神エリアから徐々に南下している傾向にあります。そんな中、薬院駅から那の川方面へと抜ける白金通りとその周辺エリアもかつては閑静な住宅街でしたが、近年は新しい飲食店の開業が目白押し。その中の一軒が、昨年11月にオープンした「イタリアンバルY」です。
場所は福岡県知事公舎近くの白金通り沿いで、青く塗られた外壁と店頭に置かれた黄色のスクーターが目印。以前は焼鳥屋だった物件を一棟借りしたオーナーシェフの太田祐介さんが時間をかけて改装し、イタリアとスペインのエッセンスを融合させたバルに仕立て直しました。
太田祐介さんは西新の「イタレリ屋ツクセリ屋」をはじめとするイタリアンで長く経験を積み、数年前から独立開業を準備。充電期間中にスペイン・バスク地方で「食の都」として名高いサンセバスチャンを訪れた際に現地のバルで感銘を受け、いわばイタリアとスペインの"おいしいとこ取り"ともいえるスタイルの店としてオープンしました。
店内に入るとまず目に付いたのは、カウンター前に設置されたガラスのショーケース。これこそ太田さんが「サンセバスチャンのバルで衝撃を受けました」というスタイルで、中には10種類以上もの色とりどりのタパスが並んでいます。全品440円の均一価格で席に着くとお通しとして一品が提供され、さらに好きなものをアラカルトで注文することもできます。
シェフのおすすめを見つくろってもらったのが写真のプレートで、左上から右回りに自家製ピクルス、レバーペースト、スモークサーモンのリエット、華味鳥ハム柚子胡椒風味、スモークホタテとポテトサラダ、野菜とクリームチーズのキッシュ。すべて手作りで、ガラスの器に入った冷製以外にオーブン焼きや揚げて提供されるものもあります。
パスタやリゾットの種類も豊富で、2品目に注文したのは「糸島豚のハーブ香るゴロゴロお肉のボロネーゼ」(1.705円)。ゴロゴロとした食感を残すために手切りした豚肉と、その味に合わせてあえてすり下ろさずスライスしたパルメジャーノ・レッジャーノとの組み合わせが絶品でした。
メインには、4、5時間かけて煮込んだ「黒毛和牛ホホ肉のワイン煮込み」(2,145円)を注文しました。トロトロになったホホ肉には黒毛和牛の旨味が凝縮され、ボリュームもいうことなし。フランス、イタリアの産地を中心にした自然派のグラスワインは白825円、赤880円からで、料理に合わせた銘柄がセレクトされています。
カウンター、テーブル合わせて12席の小バコながら、タパスに前菜、パスタ、メイン料理、デザートまで実に豊富なメニューの調理からサービスまで太田さん1人で切り盛りしています。客席が埋まっている時には、余裕を持って早めのオーダーを心がけましょう。
ジャンル:イタリア料理
住所:〒810-0012 福岡県福岡市中央区白金2丁目15-3
電話番号:092-791-9796
営業時間:17:00~OS23:00
定休日:水曜
席数:カウンター6席、テーブル6席
個室:なし
メニュー:本日のタパス440円、ハモンセラーノ770円、ウニとフレッシュトマトのスパゲッティ2,035円、糸島豚のボロネーゼ1,750円、糸島豚のグリル黒オリーブとキノコソース1,815円、黒毛和牛ホホ肉の赤ワイン煮込み2,145円
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