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はじめての同伴出勤体験記「正しいオトナのタカられ方」。

マイモ

ワタシ(中村修治)は、生粋の下戸である。昔から、酒のある場が大の苦手。福岡の歓楽街・中洲のキャバクラにも、高級クラブにも、行った記憶が、ほぼない。行ったとして連れてってもらって末席でヒッソリと所在無げに時間を過ごすだけ。良い記憶などない。
だから、当然、いわゆる“同伴出勤”なるものをしたことがない。
還暦にもなってだ…。

なので、61歳になる前日に、同伴出勤なるものを体験することにした。体験以上の言葉はない。おもろいことにいっちょかみ。「正しい大人のタカられ方」を、読者のみなさまにご報告させていただく。

同伴出勤には、一定のルールがある!!

同伴出勤をしたいとお願いしたのは、西中洲の高級クラブFにお勤めのN嬢。プライベートでご飯を食べる仲間で、ワタシが魔性の女研究をしているという酔狂にも付き合ってくれるいい女性である。このN嬢が、滞りなく場をセッティングしてくれた。
①18時に集合!!(20時には、お店に入る予定のための2時間前集合)
②同伴で入るお食事の場所はクラブへの徒歩圏内で。
③同伴いただける女性の好みにあったなるべく高級店へ。
こんなルールに従って中洲のM店で、来店を待つことになった。

中洲のM店
 

はじめての同伴出勤なのに熊の肉!?

ワタシは、こう見えても初対面の女性(主にママたち)と1時間喋るだけというコンセプトのラジオ番組のMCを1年間やり通した実績を持つ。よって、女性との対話にあたっては、免疫はある方のオッサンである。

しかし、今夜は、特別。なんてったって同伴出勤である。嫌われたらクラブまで辿り着けないのではないか!?お金はいくら飛んでいくのか!?下心がバレたらどうしようか!?気がかりが多過ぎて、高級和食の味も覚えていない。

そして、よりによって、メインはなんと「熊の肉」。はじめての同伴出勤の夜に、こんなイレギュラーってありか!?ハッキリ言って美味くない。ここは、無難に和牛にしてくれ!!結局、クマのプーさんの真似をして誤魔化した。笑

…にしても、お相手いただいた魔性のチーママは、美しかった。
もう騙されたい!!
騙し続けてくれ!!
騙され続ける自信はある!!とお願いし続けて、楽しく2時間余り。1人あたり2万円以上の出費も忘れて、テンション爆上がりだったのでございます。笑

さりげなく腕を組まれてニヤける。

さりげなく腕を組まれてニヤける

20時をまわった頃に、いよいよ、お店に一緒に移動するお時間。西中洲の通りを歩いていると、さりげなく腕を組んでいただける。条件反射で、思わずニヤける。昭和生まれは、こういうのに弱い。もう弱くていい。強くなんかならないぞ!!
刹那でいい!!騙してくれ!!
永遠なんて言わないから、騙してくれ!!

飲めないのにボトルを入れる。笑

ボトルをキープ

20時半過ぎにクラブFに到着。ちゃんと席が用意されていた。スタッフ一同に、お迎えを受ける。同伴いただいたチーママは、お店の衣装に着替えに立席。その間に、ママさんからのご挨拶がある。アテンドの女性たちは、これがまたソツのない対応。いやぁ、悪くない。連れてきてもらった時とは、全然違う景色が、眼前に繰り広げられる。

21時頃には、チーママも妖艶な姿で目の前に着席。下戸のワタシには、注文の仕方がわからない。とても優しく案内されるものだから、礼儀だと信じて、そこそこの値のボトルをキープ。これも生まれてはじめての経験。ボトルには「へそなめ」と平仮名で記していただいた。そこから、ワタシは「へそなめさん」と呼ばれることになる。

ボックス席でワタシがいただいたのは、ホットコーヒー2杯。ケーキで誕生日を祝ってもらって、代わりばんこにやってくる女性たちに褒められて、言われるがままに30分延長。22時半頃に、丁寧なお見送りを受けて、生まれてはじめての同伴出勤を完了!!
お勘定は、ここでは公表できない。(カミさんに怒られる)
しかし、覚悟していた金額よりは、お安かった。
気前よく払ってきた。

“金主”になることのススメ。

中村さん

つくづく馬鹿だなぁと思う。大いなる無駄遣いである。タカられている。そんなこたぁ百も承知である。ノンアルコールビールが飲めるようになって、ひとりで飲み屋に行けるようになったのは、55歳のころ。それから5年を経て、同伴出勤まで体験してみた。飲兵衛の仲間たちから言われ続けた“人生の半分を損している”という半分を取り返した気分である。見えてくるものが変わってきた。

高級クラブに連れていってもらうのと、自分が金主として行くのとは、わけが違う。自分のお金だから、見えてくるものが違うということだ。ママの接客、女性たちの一言一句、スタッフの姿勢、ほかのお客様のメンツ…金主になると、そんなものが見えてくるから不思議だ。金主になるから、楽しめるわけである。楽しみ尽くそうとするのである。

自腹を切らないとなんも見えてこない。
そんなことを若いマーケッターに口すっぱく言い続けてきた。
正しくタカられないと、正しい大人にはなれない。
還暦をひとつ過ぎて、ワタシは、同伴できるクマのプーさんになった。

ぼくは
チビでふとっちょ、
同伴出勤もできた
それが自慢なんだ。

※本文・画像については本人・お店の了承を得て掲載しています

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この記事を書いたひと

マイモ

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