“物流の「2024年問題」”荷物が運びきれなくなる?~ビジネスチャンスに転換する企業も
今年4月からドライバーの残業規制が適用され荷物が運びきれなくなる事態が懸念されています。いわゆる「物流の2024年問題」。この課題を逆にビジネスチャンスに転換する新たなサービスを始める企業も出てきています。
トラックと荷物を“効率的にマッチング”、新たなサービスも始まる
こうした状況を改善しようと去年9月に新たなサービスを始めたのが、福岡市東区のIT企業「セゲル」です。荷台に空きが出た場合、従来の運送会社の営業は、取引実績がある荷主に声をかけることがほとんどでした。セゲルが開発したシステムでは、荷台に空きが出そうな便の日付と行き先を登録。その便で荷物を運びたい荷主とマッチングすれば契約成立です。積載率の向上につながるだけでなく荷主にとっても新たな取引先が見つかるなどメリットがあるといいます。韓国出身のパク・ヨンソク社長は、以前は語学学校の校長を務めていましたが、日本の運送業界の問題に興味を持つようになり会社を立ち上げました。
セゲル 朴社長「時間設定とか希望時間とか、そういった部分でいろんな複雑な問題があって、荷物の量とか変動するものに関して、あんまり対応がうまく進まないという現実があった」
運送会社側からもこのサービスに期待する声が上がっています。
トワード 津田雅浩専務「関東から九州の荷物がなかなか少ない場合もあるわけです。そのときにタイミングが合えばいいんですけど、なかなかないので、そのまま何も荷物がなかったら空のまま、空気を運んでくることになるので、そこの部分で運賃を稼げれば二重に利益が出るということですよね。1回の運行で3万円くらい(売上が)あがるだけで全然違うと思います」
このシステムには、AIを使ってより効率的な配送ルートやトラックの台数を分析する機能もあります。
RKB毎日放送 町田有平「倉庫の中を流れてくるのは、新聞用の折り込みチラシです。ここから、福岡県内の各販売店に運ばれていきます」
こちらの企業はトラック27台と契約して新聞の折り込みチラシを毎日およそ180の販売店に配送しています。複雑な配送ルートを最適化しようとシステムの導入を検討しています。
折り込みチラシ配送会社物流事業部 緒方司部長「配送ルートが長年の経験と勘で作られたものなので、我々も一部感じてはいるんですけど、いびつなルートになっていると思いますので、それが最適化できればですね」
このシステムには荷主と運送会社をあわせて現在およそ60社が登録していて、4月までに500社の登録を目指しています。物流業界にとって大きな転換点となる「2024年問題」。人手不足が深刻となる中、より効率的に荷物を運ぶための模索が続いています。
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