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400度の『高温スチーム』で嫌な“臭い”をとるトイレ…「臭くて、汚い」トイレ問題が深刻な被災地で稼働中【能登半島地震】

脱臭の仕組みは「400度の高温スチーム」


こうした中、大阪市の企業が開発した「臭わない仮設トイレ」が注目されています。金沢大学・廣瀬名誉教授が監修したもので、自動水栓が付いているほか、独自技術で臭いを抑えられるのが最大の特徴です。同じタイプの仮設トイレが、福岡市のアイススケートショーの会場に設置されていました。便器の下部に水蒸気の噴出口が付いています。
 


金沢大学・廣瀬幸雄名誉教授「過熱蒸気の発生器なんです。摂氏400度くらいの温度にした蒸気をシュッと吹き、臭いを消します。菌も消します。今まで汚物をビニールに入れて保管し、捨てていたと言うからみなさん喜ばれます。温水洗浄機能まで付いていたからビックリしていました」

脱臭トイレ10台が追加で被災地へ


この“脱臭トイレ”は、岐阜県からトラックで運ばれ、石川県珠洲市や七尾市などの避難所に計53台設置されました。
 


開発元インプルーブエナジー・中村優子さん「お年寄りや女性はトイレに不安を覚えていらっしゃいます。食事よりもトイレが大事と。抱きついて泣いてくれたり“ありがとう”と言われたりして、来たかいがありました」
 


脱臭トイレの一部は便座にヒーター機能も備えます。また、臭いが抑えられるため、トイレの中に暖房器具を置くこともできます。

開発元・中村さん「被災地はすごく寒いので、便座が温かいと喜んで頂いています。できたら普通の家庭と同じようなトイレをいろんな所に増やせたらいいと思います」

アイススケートの会場にある10台の脱臭トイレは、イベントが終わると被災地の石川県七尾市に運ばれ、現地で活用されることになっています。

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この記事を書いたひと

三浦良介

1999年入社、テレビ営業部、大阪支社勤務を経て2011年から情報番組のディレクターを務める。2016年から報道記者として政治・経済を中心に取材奮闘中。

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