アスリートの盗撮被害「着衣の有無にかかわらず性暴力」と明記 福岡県が条例を改正
福岡県議会では、アスリートの盗撮など性的な意図をもって、同意を得ることなく撮影する行為を「性暴力」と定める条例の改正案が可決・成立しました。深刻なアスリートの盗撮被害、専門家は条例の改正が「重要な一歩になる」と評価しています。
福岡県が条例改正 「着衣の有無にかかわらず」
22日、福岡県議会では、県の「性暴力根絶条例」の改正案が賛成多数で可決・成立しました。改正条例では、学校やスポーツ施設、公共交通機関などで性的な意図をもって、同意を得ることなく人の姿態または部位を撮影する行為を着衣の有無に関わらず性暴力と定めています。罰則は設けていませんが、県や施設などの管理・運営者が広報や啓発活動など被害防止の措置を講じるよう求めています。
条例の改正の原案を提案した
福岡県議会 浦伊三夫議員
「盗撮をされて思い悩む人がひとりでも減る、それが県民の生活にはいいのかな」
今回の条例改正について、新体操クラブの堤佳乃子代表は「選手を守ることにつながる」と期待しています。
サザンドール新体操クラブ 堤佳乃子代表
「警察側も、危害を加えてからでないと動けないという現状がありましたので、そういう条例ができることによって子供たちの安全なスポーツを競技面でも守ることができるので、とてもありがたい条例だと考えています」
弁護士も評価「重要な一歩」
アスリート盗撮の被害実態に詳しい弁護士の工藤洋治さんは、福岡県の条例改正について「重要な一歩だ」と評価します。
日本陸上競技連盟 評議員 工藤洋治弁護士
「今回の条例では3つの要件、1つ目は性的な意図であること、2つ目は同意がないこと。3つ目は正当な理由がないこと。この3つの要件がそろった場合には着衣の上からの撮影であっても性暴力と定義されます。極めて適切な定義だと思いますし、重要な一歩であると捉えています。今後、国としては法律においてしっかりと規制対象としていくことが望まれます」
今回の条例の内容なども参考に、今後、立法化を検討してほしい、と話しています。
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