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病棟にいる間は“勤務時間”、医局にいる間は“休憩”とカウント 救急診療を行う総合病院の取り組み 過労死ラインを超える過酷な労働環境は変えられるか 

課題は救急の受け入れ体制「医師不足する可能性」

 

医師の働き方改革を進める中で、壁村院長は今までと同じ医療体制を維持する難しさも感じていると話します。

済生会二日市病院 壁村哲平 院長
「高齢者人口が今後どんどん増えるので、救急車台数がより増える可能性が高くなってきます。となると現在の体制では、それを賄うだけのキャパシティ、対応する医師が不足する可能性があります」

福岡市消防局の救急車出動件数は年々増加していて、去年は過去最多の初めて10万件を超えました。救急医療体制を維持するためにも、医療機関は、日中の受診や受診するタイミングについて相談できる♯7119の活用を呼びかけています。

医師の働き方改革をめぐっては、現場の医師からは、「救急医療の対応ができるのか」「診療にあたる医師が不足する可能性がある」などの声があがっています。
 

特定労務管理対象機関の指定で960時間→1860時間に

 

救急対応などでやむを得ず年間960時間を超える時間外・休日労働を行う必要がある医療機関は申請して特定労務管理対象機関の指定を受けると年間の上限が1,860時間になります。4月1日に始まった制度で、特定労務管理対象機関には福岡県で26、佐賀県では3つの医療機関が指定を受けています。

今回取材した済生会二日市病院は、全医師を960時間未満としているので、特定労務管理対象機関の申請は行っていないということです。

特例で医師の残業を延長することに矛盾はないのか。医師の働き方改革と医療制度の維持の両立には課題も残っています。

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