7月のコラムで「日本一寝苦しい街」として福岡市を紹介しましたが、今月、新たに日本記録を持つ街が県内に誕生しました。それが「日本一暑さが続く街」太宰府市です。
今月12日、太宰府は35.3度を観測。これで最高気温35度以上の猛暑日が、なんと25日連続となりました。これまでの記録(岡山県高梁市の24日連続猛暑日)を超えてしまったのです。1カ月近くも35度以上が続く太宰府。主な要因は地形にあると考えられます。太宰府は背振山地と、宝満山などからなる三郡山地に囲まれて、盆地のような地形となっています。このような場所は熱の逃げ場がなく、ずっと熱が蓄積されていってしまいます。
また、山に囲まれていると、いずれの風向きでも山を越えて気温の上がるフェーン現象を伴いやすく、猛暑を維持する要因の一つになっているのではないかと思います。
雨が降れば打ち水効果で、いく分暑さも和らぐのですが、この夏は安定した晴れが続き、台風による雨も九州は今のところありません。そろそろ雨が恋しいものです。
喜べない日本記録を出してしまった太宰府。まだしばらく厳しい残暑が続きそうですが、猛暑の収まる日が来るのは一体いつになるのでしょうか。
横尾槙哉=RKB気象予報士・防災士
毎日新聞福岡版 2024年8月17日掲載
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