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30年前に復活し県の特産工芸品に!福岡県朝倉市の「甘木絞り」

リポート①をradikoで聴く(10月1日まで聴取可能)

およそ30年前に復活した絞り染め甘木絞りが、9月9日に福岡県の特産工芸品に新たに指定されました。RKBラジオのキャスタードライバー・スナッピーが、福岡県朝倉市にある「甘木絞り連絡協議会」で喜びの声を取材、9月24日放送の『Toi toi toi』で甘木絞りについて詳しくリポートしました。(報告・スナッピー神谷留菜)

およそ30年前に復活した絞り染め甘木絞りが、9月9日に福岡県の特産工芸品に新たに指定されました。RKBラジオのキャスタードライバー・スナッピーが、福岡県朝倉市にある「甘木絞り連絡協議会」で喜びの声を取材、9月24日放送の『Toi toi toi』で甘木絞りについて詳しくリポートしました。(報告・スナッピー神谷留菜)


「嬉しい! の一言です。昔からあった甘木絞りを広めていくことにつながって、感激です」と喜ぶのが、甘木絞りを始めて20年の会長、大村くみ子さん(84)。身に着けている素敵な藍色の甘木絞りチュニックはもちろん大村さんの手作りです。

甘木絞りは、木綿の布を糸でくくって藍染めする、絞り染めの工芸品。江戸時代から作られてきましたが、産業としては戦後に一度、途絶えていました。それが今から30年前に、個人で少しずつ引き継いでいたものを産業として復活。それがこのたび、県の特産工芸品に指定されました。

甘木絞りのいちばんの特徴は、柄がまるで1枚の絵画のようになっていること。一般的な絞り染めは、シンプルな模様の総柄ですが、甘木絞りは、布一面を使って鶴や亀、竹林など、風景や動物を線描でデザインされています。

デザインを構成する線をよく見てみると、ただの1本線ではなく、小さな円の集合体が線のように見えているのが分かります。この円の集合体は、鹿の子柄という甘木絞りでよく用いられる表現技法。小鹿の背中の模様に似ていることからこの名前が付いています。

 

リポート②を聴く(10月1日まで聴取可能)

甘木絞りは、大きく分けて8つの工程があります。

1、デザインする
2、型を彫る
3、布に写す
4、糸で絞る
5、藍染めをする(4~5回)
6、洗う
7、糸を解く
8、仕上げて完成!

鹿の子柄を出すのに欠かせないのが絞りの工程。模様づくりの肝となる、大切な工程のひとつです。鹿の子柄を作るのに必要なのがこの「絞り器」という道具。

細長い金属の棒状のものを机に固定して使用します。棒の先端には、2ミリほどの針が上向きに付いて、その針に布をひっかけて布の腰を糸でギュッギュッと絞ります。この作業を繰り返し行い、鹿の子柄を作っていきます。

私も挑戦しましたが、ギュッとかなり力を込めて絞らないと後々解けてしまい、体力も必要なことがわかりました。一方、大村さんは黙々とスピーディに絞りを進めていきます。

「力を込めやすいように、親指の爪を伸ばしなさい、と言われていたので親指の爪だけ長いんですよ」と大村さん。「幼い頃は、帰り道にツユクサを摘んで、藍染めの液を作るお手伝いをしていたんですよ」と昔、甘木絞りを家族で作っていたときの思い出も教えてくれました。

朝倉は水がきれいで、藍で染めた後は小石原川の水で洗って仕上げていたのだそう。「それも、甘木絞りがこの地で根付いたゆえんなのでは」と大村さんは話します。

最近では、好まれる柄も鶴や亀の伝統的なものより、実際にある風景や建物の方が気に入ってもらえるのだそう。大村さんは「この前見た筑後川花火大会があまりにもきれいで、あの風景を甘木絞りでやりたい! って思ったんです」と少女のように目を輝かせながら話してくれました。

「甘木絞り連絡協議会」の皆さん、会長の大村さん、ありがとうございました!

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神谷 留菜

スナッピー

出身地:沖縄県那覇市 誕生日:8月23日 趣味・特技 カラオケ、一人旅、スパイスカレー屋さん巡り、小倉祇園太鼓