最近、毎日のように見聞きする「推し」という言葉。「推し」とは、人に薦めずにはいられないほど好きでたまらない人物(アイドルやアニメキャラクター)やモノを総称する言葉である。
私も2年以上前から、ある女性アイドルグループを推している。しかし、これまで「推し」という言葉の本来の意味である「人に薦める」ことをしてこなかった。本来の「推し活」とは、「推し」を周りに薦め、知ってもらうことではないか!
そこで勇気を出してデスクが隣の先輩、武田早絵アナをライブに誘った。ステージでは、お姫様のような衣装のメンバーが、踊り、歌い、キラキラと輝いていた。普段から明るい先輩も、より一層笑顔がはじけていた。私も肌の潤いが増したような感覚があった。ライブ後、早絵アナは「こんなに可愛くて幸せな世界があるなんて知らなかった。ありがとう!」と目を輝かせていた。そんな早絵アナを見て私の心も満たされ、幸せの連鎖が起きていた。初めて本来の「推し活」ができたようで、本当に良かったと感じた瞬間であった。
交通費、ライブ費用、CDなどのグッズと出費もあった。しかし、私たちが費やした時間とお金は自身を幸せにするだけでなく、経済も回したと自負する。自身も周りも経済も肌も潤う。これこそ「推し活」の神髄……なのかもしれない。
11月16日(土)毎日新聞掲載
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