もうすぐ2024年が終わる。年末になると増えるのが「忘年会」だ。昨今、「給料が出るなら忘年会に行く」という若者の意見さえある一方、私は出費がかさんでも忘年会に参加したいと熱望していた。なぜかと言うと、コロナ禍で入社した私にとって、入社5年目にして初めての忘年会だったからだ。
普段は忙しくてゆっくりと話せない先輩や後輩たちと仕事の話だけでなく、他愛のない話をしながら過ごす時間。距離がグッと縮まっていることを実感した。コロナ禍前は当たり前だった光景が私にとっては新鮮で、部員皆の職場での顔だけでなく、家族との時間や趣味などさまざまなことを知ることができてうれしかった。
ただ、私はお酒が弱く、下戸だ。それでも満足できているのはお酒を飲まなくても、飲めなくても楽しめる「スマドリ(スマートドリンキング)」という文化が浸透しつつあるからだと感じる。これまでは居酒屋に行くと、5種類ほどしかなかったノンアルコール飲料。ここ数年で種類が一気に増えた。選択肢が多いと長時間の飲み会でも飽きずに楽しむことができる。
ノンアルでも笑いの絶えなかった今回の忘年会。部員皆の声が大きく、携帯電話に「音量が90デシベル=工事現場並み」という通知が届いた。
12月21日(土)毎日新聞掲載
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