福岡県筑紫野市で250頭の黒毛和牛を肥育している三宅牧場。三宅涼さん(25歳)は、去年の春から牧場で働き始めた。「博多和牛」のブランドネームで出荷される牛は、「米農家が自家製の稲わらをたっぷり食べさせて育てる牛」がコンセプト。
20年前、涼さんの祖父・貞行さん(75歳)ら福岡県の生産者たちがブランド登録し、良い肉質の牛をつくろうと切磋琢磨してきた。いま、牛農家の経営は厳しい。円安による飼料の高騰や枝肉価格の下落などで、廃業を考える農家もいるほどだ。
三宅牧場では九州各地の子牛市場で競り落とした子牛を、1年8ヶ月肥育して出荷する。高く買いすぎると、後で赤字になる。将来、大きくなりそうな牛を見抜いて、適度な価格で買う。毎日、餌の食べ方や体調の変化に気を配り、順調に体重を増やしていく。愛情かけて育てた牛は、肉の仕上がりも良いという。
決して楽な仕事ではないが、涼さんが牧場を継ぐことを決意したのは、祖父母たちが続けてきた牧場の存続が危うくなってきたからだった。祖父母に習い、「牛飼い」を目指す涼さんの奮闘を描く。
(制作:RKB毎日放送/大村 由紀子)
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