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新聞紙の“まほうつかい”

毎朝習慣的に読んでいる新聞。読み終わった後はそのまま処分するのが一般的だが、その新聞紙を愛らしい『動物』の姿に生まれ変わらせる人がいる。彫刻家の東(ひがし)耕平さん(41)。新聞紙とセロハンテープだけで象やキリン、パンダなど今にも動き出しそうな姿を作り出す。

 

動物それぞれの可愛らしさや勇ましさまで表現する芸術性も人気で、去年2月に熊本で開催した初めての個展では100点の作品が最終日を待たずに完売した。東さんは大学の美術科を卒業後、彫刻家として粘土などを使った作品を発表してきたが、36歳の時に心身のバランスを崩し、創作活動を休止してしまう。

 

そんな時に思い出したのが、以前講師をしていた幼稚園で園児と一緒に楽しんだ新聞紙の動物作り。費用もかからない身近な素材で、子どもから大人まで楽しめる芸術だ。東さんは40歳で、新聞紙アーティストとして再始動。SNSで作品を発表するうちに、新聞紙の風合いを生かした表現力に惹かれるファンが増え、子供たちを対象にしたイベントの依頼も来るようになった。

 

今年度はさらに活動を本格化したが、待っていたのは順風満帆とは言い難い日々。不器用ながらも作品に対して愚直に向き合う、東さんを追った。

 

(制作:RKK熊本放送/吉村 由紀子)

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