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食材と顧客を引き立てる、「わさび」のような居酒屋

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福岡という街は、実におそろしいところだとたまに思う。街の至るところ、すみずみまで、どの飲食店をとってもハズレに当たるほうが難しいからだ。たまに出張先で晩御飯を食べる際、地元の人に聞くと「だったらここに」という定番があるものだ。もちろん、福岡にもそうした「マストもの」はないわけではない。いや、むしろ多いだろう。しかし、観光客や出張者が選ぶ定番中の定番の飲食店以外の、いわゆる「地元の人しか行かない店」であっても、しっかりと外部から来た人をもてなすポテンシャルを備えている。

わさび店内

冷泉公園を目の前にできる環境が気に入り、店屋町に事務所を構えて5年が経った。そんな私にとって、ランチでも夜でも、お肉でもお魚でも、会食でも飲み会でも利用できるご近所さんが、「めし・魚処 わさび」。先の「地元の人しか行かない店」のひとつとカウントしていいのだが、ここで紹介することで、地元以外の方々に目をつけられたら困るな、と、ちょっとヒヤヒヤしながら筆を進めている次第。

わさびチキン南蛮

ここ店屋町近辺は、お昼時になると「どこにそんなに人がいたのだ?」と思うほど、ビジネスマンであふれかえる街でもある。「わさび」も多分に漏れず12時すぎには長蛇の列になるので、弊社スタッフは11時半か13時以降を狙って行くことが多い。一方、夜はお通しがお鮨という時点でハートをわしづかみにされる。たっぷりのネギをスプーンですくって食べる「極みの胡麻さば」、伊万里牛と長浜直送ウニが店屋町で出合う「ウニの肉巻き」など、九州の肉魚それぞれの食材を活かしたメニューたち。しかし、「看板メニュー」で推すスタイルではなく、九州の恵みをしっかり活かし、ただひたすらに「うまいものを出す」に徹するうえ、接客がほどよくフレンドリー。熱すぎず、つやーにもせず、気取らないのにしっかり「うまい」、まさに食材の旨味を引き立てるわさびのような存在。最近、博多区役所前に2号店「大人のわさび」ができた。こちらもしっかりお鮨のお通しからのスタートである。

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