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『山の麓から世界へ!小さな刺しゅう店の挑戦』

県外を中心に注文が相次いでいる店が宮崎県西部の小林市にある。

霧島連山の麓にある小さな店の名前は「刺繍工房いこま屋」。

優勝旗やトロフィーに付ける「刺繍入りペナントリボン」が看板商品のお店だ。美しさだけでなく、細部にまでこだわり抜いた丁寧な刺繍が、選手や関係者たちの心を掴み評判を呼んでいる。

 

代表の國生眞由美(55)さんは元々コンビニを経営していたがコロナ禍により経営の危機に。

そんな時、刺繍入りぺナントリボンの存在を知り、事業を転換。5年前に刺繍工房いこま屋を立ち上げた。

 

ペナントに学校、選手名などを記すのは印刷か手書きが一般的で、刺繍を入れる事業所は全国でも少ない。そこに注目した國生さんはわずか3人の女性のみ従業員で刺繍入りペナントリボンの製作を始めた。女性ならではのきめ細やかさやこだわりが評判となり、現在では40を超える都道府県から注文が入るようになった。

 

また、刺繍を使った様々な商品の開発にも着手。畳や和紙を使った日本ならではの刺繍入りのグッズなどインバウンド向けの商品開発も現在進行中だ。

「日本一は通過点で世界を目指す」と話す國生さん。山の麓の小さな刺繍店の世界へ向けた挑戦を追う。

店舗名:刺繍工房 いこま屋
住所:宮崎県小林市南西方7748-5
TEL:0984-27-2207


取材後記

 お店の屋号「いこま屋」には國生さんの地元への思いが込められている。お店がある場所は、宮崎を代表する観光スポット、生駒高原のすぐ近く。四季折々の花を楽しめることができ、週末や大型連休に観光客が訪れる。しかし、新燃岳の噴火やコロナなどの影響により、観光客は減少。近くにある國生さんのコンビニも経営が困難になった。

 

そこで立ち上げた「刺繍工房 いこま屋」だが、國生さんは生駒という地を再び盛り上げたいという思いを込めて名付けた。全国から注文を受けている刺繍入りペナントリボン。この商品と共に「生駒」という名前をブランド化させ、広げていきたいと考えたのだ。

 

現在は自身が発起人となり「生駒高原活性化プロジェクト」の活動も行う國生さん。地元の事業者たちと連携して生駒の再生に向けて、課題の共有やイベント企画などを行っている。
 

生まれ育った故郷への思いを刺繍に織り込みながら、國生さんは新しいアイデアを次々と生み出している。
 

(MRT宮﨑放送/木山奈緒)

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