福岡市西区の福重は、昭和の時代からラーメン・ちゃんぽんの激戦区。国道沿いにある「福重屋」「横綱ラーメン」をはじめ、「しばらく」「丸源ラーメン」「博多三氣」など新旧の名店、人気店がひしめき合っています。そんな中、1974年の創業以来ちゃんぽんを看板メニューにして半世紀以上になる老舗が「長崎亭」。現在では市内に5店舗を構えており、今回はもっとも都心に近くアクセスのいい薬院店を訪れました。
地下鉄薬院駅と薬院大通駅のちょうど中間あたりに位置する薬院店は、真っ赤に塗られた看板が目印です。縦に長い店内は外観からの見た目よりも意外に広く、カウンター、テーブル、掘りごたつ式の小上がりまで合わせて約40席。客室をはじめ、オープンキッチン内の厨房機器も清潔に保たれており、手入れが行き届いているのがわかります。今まで数多くの飲食店を訪問、取材してきた経験上、厨房が綺麗な店にまず外れはありません。
メニューにはメインの「長崎ちゃんぽん」のほかに「ラーメン」のバリエーション、そして気になるネーミングの「チャンラー」といった商品が並んでいます。大めしにギョーザ、唐揚げが付いたセットメニュー(400円~)もありますが、今回は基本の「長崎ちゃんぽん」(950円)に生玉子(100円)のトッピングを注文しました(大盛は生玉子入り)。
四角い渦巻き状の雷紋と龍の模様が入った昔ながら丼で登場したのは、多くの人が「これぞ、ちゃんぽん」と思うであろう、オーソドックスな一杯。具材はキャベツ、モヤシ、ニンジン、キクラゲ、かまぼこ、豚肉、イカなどで、たっぷりの野菜に肉、魚介類までバランス良く入っています。
レンゲで掬ったスープは褐色で、口元に近づけてもまったく臭みがないばかりか、食欲をそそる香りが漂ってきます。ちゃんぽんのスープといえば鶏ガラか豚骨が一般的ですが、長崎亭では牛骨でとった出汁をブレンドしたトリプルスープ。たっぷりの野菜から染み出た甘みが加わり、フランス料理の"フォンドヴォー"を思わせる濃厚でコクのあるまろやかな味わいに仕上がっています。
自家製の太麺はモチモチとした食感で濃厚なスープとベストマッチ。水分を吸いすぎて麺が伸びることもなく、最後までベストな状態で食べることができます。具材は食べやすいサイズに切り揃えられ、ほどよくシャキシャキ感が残ったキャベツやもやしの火入れ具合も絶妙です。途中でトッピンの生玉子を箸先でつついて具材に絡ませれば、さらに口当たりがまろやかになり、すき焼きを玉子で食べるような味変が楽しめます。
「長崎ちゃんぽん」が看板メニューであることに間違いありませんが、実は「ラーメン」も人気で、来店するたびにローテーションで注文する常連客もいるそうです。また、気になる「チャンラー」は、ちゃんぽんの太麺をラーメン用の細麺に代えたもので、こちらは比較的あっさりと食べられます。昼時は混雑必至の人気店ですが、朝から夜までの通し営業なので、午後2時過ぎくらいに行くのが狙い目ですよ。
ジャンル:ラーメン、麺
住所:福岡市中央区薬院1-7-1
電話番号:092-791-7115
営業時間:11:00~OS22:00
定休日:木曜
席数:カウンター9席、テーブル22席、掘りごたつ8席
個室:なし
メニュー:長崎ちゃんぽん950円、チャンラー950円、ラーメン750円、チャーシューメン1,100円、ギョーザ(6個)400円、トッピング100円~、唐揚げ(3個)400円~、替え玉150円
URL:https://nagasakitei.com
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