RKBラジオの出演者やスタッフが、日頃温めていた企画を実現するチャレンジプログラム『日曜 mo R。~明るいラ族計画~』。今回は、RKBアナウンサーの本田奈也花が、自身初の冠番組に挑戦します。
家業を継ぐとは?伝統と変化のジレンマ

テーマは「あとつなぎ」。家業を受け継ぎ、新しい時代を切り開こうとする後継者たちのリアルな声に耳を傾けます。実は本田アナウンサー自身も400年続くべっこう店で育ちました。伝統を守ることと時代に合わせて変化していくことの難しさを誰よりも見てきたと語ります。
今回スポットを当てるのは、福岡県朝倉市にある徳田畳襖店の四代目、徳田直弘さん(34歳)です。徳田さんの実家は明治38年に創業した老舗で、2代目までは畳一筋でした。しかし、現代において畳の部屋が減っていくという現状を打破するため、四代目である徳田さんが立ち上がりました。
畳業界の衰退を肌で感じ、「俺が何とかせないかん」と奮起した徳田さんですが、実は家業を継ぐ前は音楽活動をしていました。
畳業界の常識を覆す!「畳屋ラッパー」誕生秘話

ミュージシャンとしてなかなか注目してもらえず、家業を手伝いながら悩んでいた際、通っていたスクールの先生から「普通の畳屋さんじゃなく、歌う畳屋になった方がいいんじゃない」と助言をもらったのが転機に。この一言がきっかけとなって誕生したのが、唯一無二の「畳屋ラッパー」MC TATAMIです。
「畳職人では自分しかいない」という畳とラップの融合は、地域のお祭りや敬老会、幼稚園の発表会でも大活躍。畳の思い出話をすることで、お年寄りの記憶を呼び覚ますという、温かい社会貢献にも繋がっています。
伝統を守るだけじゃない!四代目が切り拓く未来
実際に徳田畳ふすま店を訪れた本田アナは、入口から漂うい草のいい香りに感動。店内には、最新の住宅で増えてきた建材ホーム(発泡スチロールのような素材)でできた畳の土台(畳床)が立てかけられており、昔ながらの稲わらを圧縮した「わらどこ」との違いなど、畳業界の最新の傾向が語られます。
なかでも本田アナウンサーが驚いたのは、畳の端についている布の部分「畳縁(たたみべり)」の種類の豊富さ。世の中には5、6種類しか知られていないことが多いですが、実際にはクローバー柄や花柄はもちろん、豹柄やクマ柄、新幹線の柄など1000種類ぐらいの畳縁が存在するそうです。
畳をキャンバスに変えるアート表現
徳田さんの活動は畳屋やラッパーに留まりません。彼は、畳を使ったアート表現も手掛けています。い草を筆に見立ててアクリル絵の具を重ね、キャンバスに変えるこの独自のアートは、福岡市内のデパートで個展をするほど注目を集めています。
伝統と自分の得意なこと(音楽、アート)を掛け合わせ、自分の生き方で挑戦していくこと。これが、徳田さんが若い世代に送るメッセージです。
「家業を継ぐことは夢を諦めることではない」と語る徳田さんのメッセージは、今、後継者不足に悩む業界の若い世代に勇気を与えるはず。畳業界の未来を背負い、地域に愛される「畳屋ラッパー」MC TATAMIの熱い思い、ぜひラジオでお聴きください!
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