財津和夫、23年前に上演されたミュージカル『魔法の黄色い靴』の記憶を紡ぎだす

コンサートでもっとTULIP2期(アルバム『Someday Somewhere』)以降の曲が聴きたい、というお便りを頂戴しました。
財津「そうですね、本当に迷うとこなんですよ、おっしゃる通り。ステージを作るときに『このあたり（時期）の曲を何曲入れようかな、初期の頃をどうしようかな』とか。ですけど、やっぱり初期の、1期の頃が多くなっちゃうんです。なぜかって言うと、周りの声を聞くと『やっぱりそれがいい』とかって言われる。やはり（初期の曲は）わかりやすい曲が多いですね。僕ら（メンバー）もどちらかっていうと、ステージで小難しくなく歌える曲がいい。ライブって、肩に力を入れながら、細かいところに神経使いながらやるっていう曲を少なくしたいんです」
下田「そうね、楽しみたいっていう感じ？」
財津「聴く人もそうですよね。となるとやっぱり、初期の頃（の曲）になっちゃうんですよね。でも、（お便りの主の）お言葉を胸に秘めながら今後のことを考えたいと思いますが、今後はあるかな、と言うことでございましょう」
下田「楽しみにお待ちください」
 

リクエスト曲に添えられたメッセージです。
「（広島県）呉での公演の際、『高度なコンセプトになっています』と真顔でおっしゃっていましたが、いろんな箇所で楽しい仕掛けがあり、ファンにとっては泣きたくなるくらい嬉しく感激する素敵なコンサートでした」と頂きました。
財津「いやいや、そうおっしゃっていただけるとね…いろいろ心配してるんですよ」　
下田「どんな心配?」

財津「本当にこんな構成でいいのかな、選曲でいいのかな、MCはこんな感じでいいのかな、っていろいろ考えているんです。でもね、こうやってもう、結果的に『ありがとうございます』って、言いたくなるようなお言葉をいただきまして。いろいろ本音をおっしゃっていただけると嬉しいです」
メッセージの続きには、追加公演も今から楽しみです、とも書き添えられています。
下田「追加公演のおねだりですよ」
財津「はい」

今日の一曲は、財津和夫『Naked Heart（ネイキッド・ハート）』。1993年（平成5年）発売の同名アルバムの冒頭に収録されています。TULIPと並行して始めたソロ活動最初のレコードから15年後、円熟味を増した45歳の財津が奏でる、ビートの効いたポップなラブソングです。
 

福岡・キャナルシティ劇場では劇団四季の『オペラ座の怪人』が
21年ぶりに上映されています。
下田「財津さん、ミュージカルって鑑賞されたりしますか」
財津「オペラ座の怪人は、ニューヨークでも見ました。日本では見てないんですけど、好きな演目ですね」
下田「ミュージカルに出演の経験は？」
財津「出演の経験？」
下田「うん、ミュージカル出た？」

財津「出てない。ミュージカルで何か踊らなきゃいけないような感じがどうしてもあるんで」
下田「っていうか、セリフだったり歌唱だったりする感じで」
財津「そうですけど。でも、なんかと出演はちょっとね。ミュージカル自身は好きなんで、何か曲を作って参加したいなっていう気はありましたけど、結局できなかったかな…あ、あったあった、待ってください。ミュージカルのために作ったんじゃなくて、僕が作ってた曲がミュージカルになったのはありました。TULIPが東京に出ていくっていうような話」

2002年の話ですが、TULIP結成時をモチーフにしたミュージカル『魔法の黄色い靴』が東京・赤坂ACTシアターを皮切りに、名古屋、大阪、福岡で全25公演が行われています。劇中曲は全曲TULIPの楽曲を使用していて、主演は山本耕史、河相我聞、遠山景織子など。TULIPはカーテンコールに参加し演奏した、という事です。
財津「TBS、あそこになんかミュージカルの…」
下田「（東京）赤坂のシアターですか」
財津「そこで何かやりましたよ。僕らも、お客さんに来てもらわなきゃいけないんで、TULIPもミュージカルが終わった後、最後にゲストで出て。2曲くらい歌うっていうことをやって。それまで出番を待つのにものすごい時間があるんですよ。1日2公演だったかな。1公演終わった後ものすごいまた待つじゃないですか。だからすぐ近くの雀荘行ってみんなで麻雀やりながら、そろそろ歌う時間来たぞとか言いながらバアーってもう走って戻ってそんなことやりましたね。TULIPの半世紀だったような気がするなぁ、それを僕が作った既成曲で綴っていくっていう」
下田「再現してほしいわ。明日11月24日がオペラ記念日だということです」
財津「オペラ記念日ってのもあるんですね」
下田「あるんですよね」

次回11月30日の放送は、通常通り18時15分（午後6時15分）からの予定です。
定年退職後について、お話しします。