きょう13日は福岡の初霜、17日は初氷(この冬初めて氷が張ること)の平年日です。これらは冬の訪れや冷え込みの強さを知らせてくれる重要な情報ですが、なんと今年から初霜や初氷の発表がなくなってしまいました。
福岡の初霜は気象台にあるわらに霜が降りたかどうか、初氷はバケツに張った水が凍ったかどうかを観測員が見て確認してきました。その歴史は長く、初霜は1891年以降、初氷は1932年以降毎年記録が残っています。100年前後も続けてきたこれらの観測をなぜやめるのか。
これは近年暖かすぎて霜が降りない、氷が張らないからではありません。観測・予測技術の発達が主な理由です。全国各地の気温などを推計・予測できるようになり、初霜は霜注意報、初氷は低温注意報で代替できるため目視観測を終えたとのこと。業務の効率化も理由の一つでしょう。
冬の便り、実は初雪の目視観測も終了しています。その時の気温と湿度で雪かどうかを器械で判定。そのため、今や残る目視観測は初冠雪のみとなってしまったのです。なお、福岡の初冠雪は脊振山に雪が積もったかどうかを気象台から目で見て確認しています。
技術の進歩は喜ばしいことですが、気象予報士としてはどこか寂しさも感じます。
横尾槙哉=RKB気象予報士・防災士
毎日新聞福岡版 2025年12月8日掲載
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