本格的な手打ち蕎麦屋なのに、ラーメンやチャンポンが人気ってどういうこと?
はい、福岡で麺好きの方ならご存じかと思いますが、そんな希有な店が薬院の「そば処 まさや」です。実は10年以上前、「まさや」から徒歩数十秒という至近距離に事務所を構えていたので、ほぼ社食感覚で利用していました。オーダーする比率はラーメン5、そば2,うどん2、その他1といったところだったでしょうか。実際、客の約半数がラーメンを注文するそうですが、今回は10年以上ぶりにチャンポンを目当てに訪れました。
場所は南薬院の信号から赤坂方面に向かって最初の交差点の角で、表には昔ながらの精密な細工の食品サンプルが入ったショーケースと出前用のバイクが2台。創業は1962年で薬院に店を構えてからも半世紀以上経つという老舗ながら、決して敷居の高さを感じさせない"町の蕎麦屋"というスタンスを貫いています。以前はそれぞれの町に一軒や二軒の蕎麦屋があったのですが、その多くが閉店、廃業する中、出前までやっている店は今や貴重な存在です。
そば・うどんの献立が20種類以上ズラリと並ぶ中、最後にラーメン、チャーシューメン、チャンポン、皿うどんといった町中華と見まがう料理がオンメニュー。さらに各種丼ものからカレーライスまであり、かつてのデパートの大食堂を思わせるような充実ぶりです。
さて、お目当てのちゃんぽんは、そば・うどんとは違った中華風の丼で登場します。具材は豚肉、キャベツ、モヤシ、ニンジン、紅白カマボコにチクワといった、シンプルにして王道感のある組み合わせです。スープと麺、具材のボリューム感もバランスが良く、派手さはありませんが老舗ならでは風格さえ感じさせてくれます。
やや褐色がかったスープは、ラーメンと同じく鶏ガラがベース。一口啜ると、ホッとするような何ともやさしい味わいが広がります。そばやうどんのつゆとして鰹節や昆布からとる和出汁が加わることによって口当たりがマイルドになり、さらに野菜の甘みが染み出してこのやさしい味が生まれるのです。他店では決して真似のできない、唯一無二の味といっていいでしょう。
中太の麺はもっちりとした食感で、いわゆる麺が"伸びる"のではなく程よくスープを吸い込むことで、食べ進めるうちに美味しさが凝縮されるような感じです。全体の量も多すぎず、少なすぎず、完食しても腹八分目といったところ。もの足りないという人はプラス130円で大盛にするもよし、のり巻きか、かしわのおにぎり(2個各320円)を追加するもよし。あ、僕は瓶ビールを注文して、具材をつまみにしながら一杯飲みましたけどね(笑)。
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