御供所町にある「米八」は、かつて祇園にあった老舗旅館「米八」の屋号を引き継いだ一軒。店内はカウンター8席のみ。凛とした空間で、自然と背筋が伸びる。オープンは2025年10月6日。ここでは唐津のミシュラン二つ星「鮨処つく田」の店主・松尾雄二(まつおゆうじ)さんが監修する“鮨と日本料理”のコースを楽しめる。
コースは2種類。
・米八季節のコース(16,500円)
・米八季節のおまかせ(25,300円)
今回は「米八季節のコース」をお願いした。
板場に立つのは大将の土居清一(どいせいいち)さん。フレンチの経験も持つ料理人で、監修の軸を守りながら、目の前で一皿ずつ丁寧に仕上げていく。
食材はかなり贅沢。天然魚は唐津「大山鮮魚店」から。牛肉は唐津「宮崎牧場」の佐賀牛A5メス。まぐろは豊洲「やま幸」。野菜は糸島の無農薬野菜、水は唐津七山の水を使用する。
器も九州の名窯を中心に揃えられている。唐津焼の素朴さ、伊万里焼や有田焼の華やかさなど、それぞれの個性が料理を引き立て、目でも楽しませてくれる。
一品料理は10品ほど。
4時間蒸した鮑は、やわらかすぎず適度な弾力を残した仕上がり。蘭王の卵黄と肝ソースを合わせると濃厚さが増す。
広島の牡蠣を使った塩辛は、オリーブオイルと塩、韓国唐辛子でピリ辛に。ねっとりとした食感で酒が進む。
佐賀牛A5メスのイチボはしっとりとした火入れ。ふきのとう味噌のほろ苦さが良いアクセントになっている。
そのほか、渡り蟹や赤なまこ、鱈白子など旬の素材が続く。
握りは8貫。
赤酢がやや効いた硬めのシャリで、ヒラスズキ、ヒラメ、寒鰤、車海老、ビンチョウマグロとテンポよく続く。低温調理した牡蠣の握りは珍しく、穏やかな旨味が印象に残る。
大間のまぐろは中トロと赤身漬け。脂とシャリの酸のバランスは安定感がある。かんぴょうの手巻きで締めかと思いきや、最後にウニの手巻き。土居さんいわく、ウニの余韻を最後に残してほしいらしい。
山本さん(左)と土居さん
ドリンクはソムリエ兼利き酒師の山本素史(やまもと もとちか)さんが担当。
全国に24名しかいないという、チェコのビール「ピルスナーウルケル」の公認タップスターが在籍しており、最高の状態で注がれる生ビールを味わえるのもこの店の特徴だ(不在の場合もあるので事前確認を)。
今回は日本酒のペアリング(6,000円)をお願いした。
飛露喜 特別純米、たかちよ sunrise、鍋島 純米吟醸、旭興 特別純米 辛口、而今 純米吟醸 朝日 火入と続く構成。軽やかなものから旨味のあるタイプ、キレのある辛口へと流れ、握りまで自然につながる組み立てだった。
デザートはあまおうを使った一皿。最後まで季節感を感じさせる締めくくり。
所要時間は約2時間半。
佐世保出身の土居さんとの会話も心地よく、食事の時間はあっという間に過ぎていく。
次はどんな季節のネタが出てくるのか、土居さんの話を聞きながら、またゆっくり味わいたい。
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