トウモロコシ研究者である、大分高専の森田昌孝准教授(45)。2022年に大分へ赴任すると、県内各地で「もちとうきび」と呼ばれる在来トウモロコシが受け継がれてきたことに感銘を受け、種の保存や栽培・普及への取り組みを開始した。
「もちとうきび」は、もちもちした食感と白・紫など多様な色が特徴で、長年農家で家庭用に栽培されてきたが、より甘いスイートコーンの普及により需要が低迷し、栽培農家が激減、種の継承も危機的状況となった。
江戸時代から大分で食べられてきたこの在来種を次世代に継承するため、森田さんは研究を開始。栽培が容易で暑さに強く、猛暑が続く現代の気候に適した作物であること。さらに栄養価が高く、甘さ控えめで、その独特の食感が現代の健康志向のニーズに合うのではと料理人などにプロモートを重ねている。
さらなる需要拡大策として、地元酒造メーカーと協力し、「もちとうきび」を原料にしたピンク色のクラフトビール「MOCHI」を商品化。新たな地域特産品になるよう目指している。
また、子どもたちが手軽に食べられる環境をつくるため、学校給食への導入も働きかけるなど、「もちとうきび」の復活と次世代への継承に挑戦している。森田さんの挑戦を追う。
<取材先データ>
大分工業高等専門学校
担当者:森田昌孝 准教授
住所:大分県大分市大字牧1666番地
電話:097-552-6075
HP:https://www.oita-ct.ac.jp/
取材後記
“もちとうきび” 幼いころに食べた記憶はあるけれど、最近は全然見なくなっていた、私にとっては遠い記憶の中の食材でした。
そんな“もちとうきび”の普及活動をしていた森田さんと出会ったのは、全く別の取材の最中。今まで意識していなかった、地元の“もちとうきび”が途絶えてしまいそうな現状と、復活を目指す森田さんの情熱。「大分をトウモロコシ県にしたいんです!」と話す、その表情が印象的でした。
取材を始めて一番の驚きが、久しぶりに食べた“もちとうきび”の味。正直に言って、記憶の中よりもはるかにおいしかったです!もちもちとした食感と濃厚な味は、どこかにあった「トウモロコシは甘くなければ…」という固定概念を覆す、主食として食べ飽きないポテンシャルを持っていました。
そして、森田さんが地元企業と組んで行っている、“もちとうきび”の栽培拡大や原料としての様々な展開。取材を重ねるごとに、“もちとうきび”の復活への道を感じることができました。
「今日はもちとうきびご飯を食べたい!」、「花見にはピンク色のビール!」など、もちとうきびの選択肢が増えていけば、もしかしたら「トウモロコシ県おおいた」も遠い未来ではないのかもしれません。
(OBS大分放送 清水誠人)
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