大分県は「日本一のおんせん県」。そして「豊の国」と呼ばれるほどに豊かな自然と、四季折々の“味力(みりょく)”あふれる食材・お酒・食文化に恵まれた土地です。
「OITA TERROIR」の協力人。左から「GohGan」安藤シェフ、「Ristorante fanfare」梶原シェフ、「La Verveine」渡辺シェフ、「ENOWA」タシシェフ
UMAGAでは、先月2月11日に「GohGan」で開催されたディナーイベント「OITA TERROIR GohGan × fanfare」のレポートを軸に、大分県産食材やその産地、お酒の魅力を全3回に渡ってお届け。第2回目は、飲んで、めぐって楽しい “おおいたん酒の味力”に迫ります。
*第1回目の記事は▶︎コチラ
多彩に湧き出す、大分の酒文化の虜に
ディナーイベントで登場したのは、飲むほどにハマる“おおいたん酒”。ワイン、日本酒、麦焼酎、梅酒、ソフトドリンクもすべて“オール大分”です! 無二の個性を放つ各蔵自慢の銘柄を紹介すると共に、春休みに向けて、酒造や周辺のお出かけ・観光情報も一緒にお届けしたいと思います。
風土を映す、芳醇な大分のワイン
数々の賞を受賞し国内・海外のワインファンにも高く評価されている〈安心院葡萄酒工房〉のワイン
盆地特有の朝霧と昼夜の寒暖差――そんな恵まれた風土を持つ宇佐市安心院(あじむ)町で、丁寧なワイン造りを続けているのが〈安心院葡萄酒工房〉。こちらの代名詞は、安心院町産のシャルドネのみを使い、国内でも珍しい瓶内2次発酵にて造られた「安心院スパークリングワイン」(写真左端)です。果実や花のような香りと引き締まった酸味、ゆったり広がる余韻に思わずうっとり。
果実、果実酒を極めた時にたどりつく究極の安心院ワインシリーズ「極果(ごっか)」もお目見えしました。豊潤な白ワイン「極果 アルバリーニョ2023」は、黄桃や金柑を思わせる果実味と余韻が美しく、〈かぼすヒラメ〉との相性も上々。力強い骨格の辛口赤ワイン「極果 ビジュノワール 2022」(写真)は艶やかな黒い果実、スパイス感を感じさせ、〈豊後・米仕上牛〉のおいしさを引き立てていました。
行ってみたい!宇佐市〈安心院葡萄酒工房〉
【写真提供:安心院葡萄酒工房】
おいしいワインを飲んでいると、現地にも出かけたくなりますね。〈安心院葡萄酒工房〉の敷地内には、醸造場・貯蔵庫・ぶどう畑・ショップ等が点在。緑豊かな園内の散策や工場見学、ワインの試飲を楽しめるので、大人の旅にぴったりの場所です。
発泡酒醸造場と飲食スペースを備える「麦の蔵」【写真提供:辛島 虚空乃蔵】
ちなみに〈安心院葡萄酒工房〉を運営しているのは、“いいちこ”でお馴染みの「三和酒類」。〈安心院葡萄酒工房〉から車で18分ほどの場所・宇佐市辛島には、同社が手がけている〈辛島 虚空乃蔵〉もありますよ。施設内には日本酒の醸造場「米の蔵」と、発泡酒を造るクラフトブリュワリー「麦の蔵」があり、見学や日本酒づくり体験、お酒の飲み比べなどが楽しめるそう。こちらも行ってみたいなぁ。
清らかな水が醸す、大分の日本酒
九州有数の米の産地であり、清冽な地下水・伏流水にも恵まれた大分県は、日本酒だって美味。県内各地には、風土の特徴を活かし、杜氏の技と特色が光る酒蔵が点在しています。
大分県最南部の美食の街・佐伯市上浦町の〈大地酒造〉、大分県下最大の穀倉地帯・宇佐平野を有する宇佐市長洲の〈小松酒造場〉、久住山系の豊かな伏流水に恵まれた肥沃な米どころ・豊後大野市緒方町の〈浜嶋酒造〉。イベント時には、この3蔵の銘酒が提供されました。
〈大地酒造〉の「花笑み 純米吟醸 DOLCE」は滑らかな口当たりの甘口吟醸酒。原木乾しいたけの〈うまみだけ〉をはじめとした旨味が強い食材、料理にも寄り添います。
〈小松酒造場〉の「豊潤 白麹仕込み 大分三井 特別純米」は、全量大分県の酒米「大分三井」で醸された特別な一杯。白麹由来のクエン酸による、柑橘のような爽やかで甘酸っぱい香りが格別で、魚介・野菜・肉料理にもよく合います。
行ってみたい!豊後大野市
<鷹来屋ガーデンささら>
酒粕や麹を使った発酵ランチやスイーツ、日本酒等を味わえる【写真提供:鷹来屋ガーデンささら】
そして、完全手造り・全量槽しぼりという伝統技法を貫く〈浜嶋酒造〉の「鷹来屋 大吟醸」は、穏やかな香りと奥深い味わいが酒好きを魅了。
また、豊後大野市〈浜嶋酒造〉の向かいには、同酒造が運営する発酵文化をテーマにした日本酒バー&カフェ「鷹来屋ガーデンささら」もあります。2026年3月14日(土)には、豊後大野の合同蔵開き「ぶんごおおの巡蔵」も開催されるそう。この春は酒蔵めぐりに出かけたいなぁ。
日本が誇る、大分の麦焼酎
左から〈常徳屋酒造場〉の「宇佐ぼうす 道中(焙煎薫蒸醸し)」、〈南酒造〉の「本格麦焼酎 とっぱい」
そして、大分といえばやっぱり麦焼酎。“焼酎=芋”というイメージが強かった時代、大分県は新たな選択肢を全国に広め、今なおその人気を牽引する麦焼酎王国です。豊かな自然が育む麦と名水から生まれる麦焼酎は、芳醇な香りと軽快な口当たりが自慢。クセが少なく飲みやすいのも魅力で、近年は蔵ごとの個性や造りに一段と磨きがかかり、さらなる進化を遂げています。
明治元年創業、国東市安岐町の蔵元〈常徳屋酒造場〉が醸す「宇佐ぼうす 道中(焙煎薫蒸醸し)」は、豊かな麦の香りとコクのある味わいが格別。
イベント時には「GohGan」のスタッフ・濱田さんによる様々な飲み方の提案もありました。なかでも感激だったのは、カクテルシェイカーで仕上げた「宇佐ぼうす 道中」の水割り。シェイカーで振ることにより、“前割り”をした時のように麦焼酎と水がしっかりと馴染み、角がとれ、香りとまろやかな味わいが一層引き出されていました。カボスのピールで“味変”したり、チョコレートと一緒に楽しむのも良さそう。
行ってみたい!国東市<南酒造の角打ち&カフェ>
麦焼酎やクラフトジン、焼酎スイーツ等を味わえる〈南酒造〉の角打ち・カフェ【写真提供:おおいた食品産業企業会】
続いて、ピンク色のパッケージも可愛い〈南酒造〉の「本格麦焼酎 とっぱい」は、女性杜氏が造る本格麦焼酎。名前は安岐町の民話に登場する神様「とっぱい(10杯)様」に由来するそうです。軽やかですっきりとした味わいで、柔らかな香りと優しい甘味もふわり。“10杯でもおいしく飲める!”と思えるほど心地よい飲み口で、焼酎のイメージが覆されるようでした。
また〈南酒造〉は、2024年5月に増設した蔵に角打ち・カフェスペースをオープン。食事に“シュシュッ”とスプレーして香りや風味を楽しむオリジナルの焼酎「SHUshuTto(シュシュット)」をかけて味わう「酒造パフェ」も気になる~!
もうひとつの名品、大分の梅酒
「梅の郷」と呼ばれる日田市大山町をはじめ、大分県は九州有数の梅の産地の一つ。大分県内各地の酒造で、地元産の梅を使った梅酒が造られています。
今回提供された1本目は、杵築市南杵築にある明治7年創業の日本酒蔵〈中野酒造〉の「ちえびじん 紅茶梅酒」。杵築産の紅茶葉を天然水で抽出し、地元産南高梅で仕込んだ梅酒とブレンドした一杯は、とろりと滑らかで上品な甘味と香りがたまりません。
2本目は、海山の幸に恵まれた醸造の町・臼杵市江無田で160年以上続く酒蔵〈久家本店〉の「いやんばい梅酒」。臼杵市産の豊後梅・南高梅を、シェリー樽に貯蔵した麦焼酎で漬けているそうで、ほんのりと広がるシェリー香とスモーキーさがクセに。
どちらも大分県産の高糖度かんしょ〈甘太くん〉を使ったデザートによく合い美味でした。
行ってみたい!杵築市&臼杵市
<ちえびじん桜飲祭と臼杵城跡の桜>
桜色に染まる「ちえびじん桜飲祭」【写真提供:中野酒造】
〈中野酒造〉は、九州の小京都「杵築」城下町唯一の酒蔵で、2026年3月29日(日)には、お酒やグルメを満喫できる「第3回ちえびじん桜飲祭」を開催。また、きつき城下町一帯では2026年3月15日(日)まで「ひいなめぐり」を開催し、4月上旬には城へ続く散策道に約250本の桜が咲き誇ります。
右:臼杵城跡(臼杵公園)の 桜 【提供:臼杵市観光協会】
〈久家本店〉から車で6分ほどの場所には、大友宗麟が戦国時代に築城した「臼杵城」の城跡(臼杵公園)があり、2026年3月27日(金)~4月5日(日)には「令和8年 臼杵城址桜まつり」も開催。大分のお酒を楽しみ、歴史情緒あふれる美しい街並みを散策するのも楽しそうですね。それぞれ最新情報をチェックしてぜひ出かけてみてください。
ご当地サイダーにビールも!
さらに、〈由布院温泉観光協会〉からは大分県由布院の六所宮の湧水を使用したご当地サイダー「ゆふいんサイダー」が。天然水で有名な水郷・日田市の丘陵地にある〈サッポロビール九州日田工場〉からは「サッポロ生ビール黒ラベル」も登場しました。
温泉を満喫した後にサイダーを飲むのもいいし、ビール工場を見学した後に出来たての生ビールを味わうのもいいな~。こうしていろいろと飲み比べながら、旅の予定を立てるのも楽しいですね。
「OITA TERROIR」の協力人であるシェフの皆さんも、そのおいしさに唸る“おおいたん酒”
各蔵の醸すお酒は、バラエティ豊かな泉質を誇る大分の温泉に負けないくらい多彩で、どれも他にはない“味力”と個性がキラリ。何より、大分県産の食材や料理と合わせると、そのおいしさが一層輝くことを改めて実感できました。
次回はいよいよ、大分県産食材の“味力”と産地を深掘りする記事をお届け! どうぞお楽しみに。
※*1回目の記事は▶︎コチラ
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