4月になった。カレンダーが新しくなる1月よりも学年が変わるなど環境が変化する新年度に私は1年を振り返り、背筋を伸ばす。
昨年度はプロ野球日本シリーズや陸上の世界選手権など、実況者として憧れの大舞台に立つ機会に恵まれた。華やかな経験に聞こえるかもしれないが、内情は少々異なる。私は元来臆病者で、大きな仕事の前は「その日が来ないでくれ」と祈るような気持ちで準備に追われている。
期待よりも「自分に務まるのか」という不安の方が心を支配してしまうのだ。一方で「絶対に自分が担当したい」と強く思う「負けず嫌い」でもある。我ながら難儀な性格だと思う。
しかし、それらの不安を超えての挑戦は、自信となり、今の自分を形作っている。初めての経験からしか得られない成長があると確信する。
アナウンサーとしての8年のキャリアで「次のチャンスがあるとは限らない」と痛感した。今、時代が移り行くスピードはとてつもなく速い。当たり前にあるはずだったものも、気づけば消えている。
新生活を迎えるあなたへ。足がすくむような場面に出会ったら、それは大きく変われる入り口に立っている証。二度とは来ないかもしれないその瞬間に、一緒に飛び込んでいこう。
4月4日(土)毎日新聞掲載
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