「デビ高橋の昼飲みでほろ酔い」では、明るいうちからお酒を楽しめる店を紹介します。
春吉の路地裏で2022年にオープンし、UMAGAでも一度紹介した「Trattoria tano(トラットリア タノ)」が、2026年8月5日に警固へ移転リニューアル。店名も「?」が加わり、「Trattoria? tano」となった。
店名に加わった「?」には、「イタリアンに縛られすぎず、いろいろなことができる店にしたい」という田上さんの思いが込められている。
店主は田上信行さん。鉄板焼き店や「米と葡萄 信玄酒店」などを経て、2018年から「肉と葡萄 信玄食道」の店主を務め、その場所を引き継ぐ形で2022年に独立。「Trattoria tano(トラットリア タノ)」をオープンした。
今回の移転は、春吉の店舗の立ち退きがきっかけ。移転先を探す中で、若者や外国人観光客が増えた春吉よりも、少し落ち着いたエリアで店を続けたいと警固を選んだという。新しい店は警固のビルの2階にあり、通りから階段を上がって店内へ。春吉時代のカウンターやテーブルをそのまま移設しているため、以前からの常連客にはどこか懐かしく感じられる空間だ。
大きく変わったのは営業時間。以前よりスタートを早め、15時から営業している。
「警固は遅い時間になると人通りが少なくなるので、それなら早い時間から始めようと思って」と田上さん。当初は遅めの昼食を求める人を想定していたそうだが、実際に15~17時に訪れるのは年配の方やリタイアした方、女性客などが多く、意外にもしっかり飲んでいく人が多いという。
15時からでもメニューは夜と同じ。チャージもないので、ワイン1杯と一品料理でサクッと飲んでもいいし、早い時間から腰を据えて料理とワインを楽しむのもいい。
おすすめは、最初に炭火焼きを注文しておくこと。焼き上がりまで30分ほどかかるため、その間に一品料理とワインを楽しみ、炭火焼き、そして〆へと進むのが「tano」らしい楽しみ方だ。
今回は福岡県産ジビエの「猪 150g」(3,000円)を注文し、焼き上がりを待つ間に「燻製レバーパテ」(800円)からスタート。鶏レバーの濃厚なコクに燻製の香りがほんのり重なり、ブラックペッパーがアクセントに。なめらかなレバーパテをバゲットにのせて食べると、サクッとした食感とのコントラストも楽しい。泡の「スカッコ スプマンテ」(1,200円)を合わせると、レバーの余韻をすっと流してくれて心地いい。
「白ナスのソテー トンナーソースがけ」(1,320円)は、火を入れた白ナスがとろりとやわらかい。ツナや卵、酢などを使ったコクのあるトンナーソースとオリーブオイルが絡み、まろやかな味わいに仕上がっている。これも酒が進む一皿だ。自然派のシチリア産白ワイン「ルナーリア」(900円)と合わせて楽しんだ。
そして約30分かけて焼き上げた福岡県産の猪。まず目を引くのが、香ばしく焼けた脂だ。表面はカリッとしているのに、噛むと脂の甘みが広がる。赤身はしっかりとした肉質で、噛むほどに旨みが増してくる。ジビエ特有のクセや臭みはほとんどなく、「肉を食べている」という満足感がしっかりある。これにはオーストラリアのピノ・ノワール「プラクシス」(1,400円)を。重すぎない赤が猪の旨みを邪魔せず、脂ともよく合う。
最後は、ここに来たら外せない「ゴロゴロ肉のボロネーゼ」(2,200円)。一般的なミンチではなく牛すじや端肉を使っているため、その名の通り肉がゴロゴロ。ソースというよりも「肉と食べるパスタ」と言いたくなるほど肉々しい。〆までしっかり食べて、お腹も満たされて大満足。
カウンターで一人、友人とワインを数杯、あるいは15時からじっくり料理を楽しむ。10~12名ほどのパーティや貸切りにも対応するなど、使い勝手の幅も広がった。
明るいうちから本格的な料理とワインを楽しみ、店を出てもまだ夜はこれから。そんなちょっと贅沢な昼飲みができるのも、新しい「Trattoria? tano」の魅力だ。
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