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人工呼吸必要な「医療的ケア児」を笑顔に~非営利団体の取り組み

人工呼吸器などが必要な“医療的ケア児”やその家族を支援する非営利団体があります。子供たちと全力で遊びながら細心のケアをする取り組みです。
ゴールデンウイークにいちご狩りを楽しんでいるのは、人工呼吸器をつけた小さな子供とその家族たち。医療的ケア児を支援する福岡県岡垣町のNPO法人「にこり」がイベントを企画しました。


母親「ありがたいです。こういうところに来られないので。人が沢山いるとかそんな心配なく来られる」
廣渡農園「ここ一棟だけ特別に通路幅を広くして。バギーの幅も考えて。みんなが楽しんでくれるのが一番だと思っていますので」
参加者のひとり、山本せなちゃん4歳。脳幹腫瘍という病気で自分で呼吸ができないため人工呼吸器を使っています。厚生労働省によるとせなちゃんのような医療ケアが必要な子供たちは、全国に約2万人います。
「にこり」の代表松丸実奈(まつまる・みな)さんです。松丸さんはかつて、NICU新生児救急集中治療室に勤務していました。
松丸さん「友達の子どもが高度な治療が必要なまま医療的ケア児になった。このままではおうちに帰れないと悩んでいた友人を目の前に、子どもの看護の実績もあったので立ち上げるのが役割だと思った」
この日は、遠賀川の河川敷で遊びました。子供達の安全に細心の注意を払いながらスタッフも一緒に全力で遊びます。

「ソリする人?はーい」
NPO職員「手動で空気を送っています。息吸って吐くのと一緒」



医療ケア児を乗せたソリが草原を走ります。


NPO職員「ここに酸素量が表示されています。バルブで子供たちの酸素量を調節します。ユノは3、かおるくんは1です。刺激がやっぱり違うんです。それぞれの活動があった方がいい。子どもは体を動かすのが仕事だと思う。チアノーゼ(酸素不足で紫に肌が変化)が出たりするので様子見ながら」
子どもたちを楽しませつつケアする、これが「にこり」流です。松丸さんは「医療的ケア児」についてたくさんの人に知ってもらおうと広報活動にも取り組んでいます。訪れたのは北九州市の黒崎商店街です。

松丸さん「にこり祭りをしたい」
理事長「にこり祭り?ポスターも作る?」
松丸「空いている店舗の前とかでもいいんですか?」
理事長「いいよ、ここは福祉ゾーンやから。うちのマルシェは弱者に使ってもらうのが柱。曜日決めてもろたらイベント組むから。ただ心配なのが体の弱い子来るから…」
松丸「でも丈夫。外遊びもお出かけ慣れしているから心配ありません」
にこり祭り、9月の開催に向け動き出しました。祭りでは、シンガーソングライター立川翼さんが医療的ケア児に向けて作った曲、「にこり」を演奏する予定です。
松丸さん「アーケードというフラットで雨にも強い所で兄弟家族と祭りを楽しんでもらいたい」

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