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「上げたくないのに」小麦高と円安のWパンチで“そうめん”に値上げの波【現場の声】

ロシアのウクライナ侵攻や急激な円安などの影響で様々な物の値段が上がっています。シリーズ「現場の声」、小麦の高騰に頭を抱えるそうめん業者の声です。  

原料の8割輸入「上げたくないのに上げないと」

佐賀県神埼市にある井上製麺を記者が訪ねました。
RKB若松康志「いただきます、ズルズル~、つるつるしていてすごくおいしいです、この神埼そうめんも物価高の影響で6月から値上がりしました」
 
今年で創業149年、上質な小麦と塩、脊振山系の地下水を使った神埼そうめんを製造・販売しています。夏本番、冷たいそうめんで一時の涼を感じたいところですが、ここにも値上げの波が押し寄せています。
井上製麺・井上義博社長「厳しいですね、なかなかあげたくないのに上げないといけない状況です」
井上製麺が取り扱う神埼そうめん「神の白糸」は、材料の小麦の8割を輸入に頼っています。

小麦価格は1年間で40%上昇

ここに農林水産省が発表している輸入小麦の政府売渡価格の推移を示したグラフがあります。
小麦1トンあたりの価格は、去年4月には、5万1930円でしたが、去年10月には、6万1820円に上昇し、さらに今年4月には7万2530円にはね上がるなどこの1年間で2万600円、約40%も上がっています。

小麦をはじめとする原材料費の高騰を受け、井上製麺もやむを得ず先月、商品の値上げに踏み切りました。200グラム入りの袋は220円から250円に、250グラム入りの袋は、310円から342円にそれぞれ値上げしました。
井上社長「うちの場合は同じ形、同じ量目で売っておりますので、必然的に値段を上げざるを得ないという形でお願いをしている。小麦の価格がこれだけ上がっていることと石油が上がった、包材資材が全部上がっておりますので、申し訳ないんですが」

円安のWパンチでさらに高騰へ

輸入小麦の政府売渡価格は、今年4月の時点で1年前に比べてすでに4割上がっています。そこに20年ぶりの円安も追い打ちをかける形で今後、さらに高くなると予想されています。

 
井上社長「小麦はやっぱりお米の次の主食のようなもので、パンがありますし、麺がありますし、あまり上がりすぎると厳しいので、国が何がしかの対策をしていただくことが一番ありがたい」

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