いま福岡のラーメン業界はとにかく元気! 動きが活発です。
例年以上の豊作年となることを予感させる勢いでオープンラッシュに沸いているだけでなく、いわゆる“コラボラーメン”開催のNEWSもよく耳にするようになりました。自店の創作麺イベントの枠を超え、他のゲスト店主を招いたり、麺・スープ・具を掛け合わせる“コラボ”が多いことが昨今の流れ。「皆で盛り上げて、この苦境を乗り越えようぜ!」と、業界の結束が高まっているように感じます。
そんな中で飛び込んできたコラボラーメンの新情報が、 「博多炉端 魚男」×ラーメン職人・久保徹氏 コラボラーメン「クボそば」を6月30日(木)まで販売。
しかも、ラーメンのテーマは「鮨」!? ですと!
今までなかった異色のコラボ。
前情報で、これだけ興味をそそられるラーメンってなかなかないですよね。
なんてったって味の想像がつかないですから。
これは食べてみるしかない! ってことで早速行ってみました。
「クボそば」が食べられる「博多炉端 魚男(フィッシュマン)」は今泉にあり、その名の通り魚に強い炉端焼きの居酒屋。そして久保徹さんは鮨の名店「博多高玉」での約10年間の修業を経て、現在は「豚そば 月や 大名店」の店主をされています。
腕利きの鮨職人であり、ラーメン職人でもある方なんですね。
僕自身、久保さんのことは「豚そば 月や 大名店」を出す前、鮨からラーメンの世界へ入ったころから存じ上げていて、創作意欲にあふれ、とても繊細な手仕事をする方との印象があります。例えば、コロナ禍になった直後に「豚そば 月や 大名店」で持ち帰り用のちらし寿司を作っていたのですが、これがため息の出るくらい端正なビジュアル。“ラーメン店の美しすぎるちらし寿司”として話題を集めました。
そんな久保さん(写真右)と、親交のある「博多炉端 魚男」行武知美店長との縁で実現した今回のコラボ。
何より「ラーメン」でどのように、「鮨」を表現するかに注目ですね。
というのも、ラーメンと鮨は、いわば“クールな日本食の4番バッター”同士ですから、全国、世界でも組み合わせた例があっていいはず。でも、あまり聞いたことないですよね? きっと、それだけ難しいんです。北九州に「四方平(よもへい)」というラーメン&鮨が名物の超老舗がありますが、あくまで鮨は別皿で出てくるサイドメニューです。
ワクワクしながら待ちわびた「クボそば」(800円、焼きおにぎり付き)がこちらです。
うおっ! 鮨がしっかり乗ってるやん!
ネタはマグロ、タイ、青魚(この日はヒラス)。
澄んだ清湯スープ、麺の上に鮨3貫がオンされています。
シャリはどうなってるの? と箸でめくると……。
なんだこのプニッとしたもの?
実は、米ではなく“餅麩”なんです。
「麺、スープ、具の三味一杯。丼全体で“鮨”を表現したラーメンです。単に鮨をのせるだけでは、どうしても別々に食べた方が良いとなってしまいます。バランス良くそれぞれの素材の味を生かし、あくまで一杯のラーメンとして完成させるため“餅麩”という食材を思いつきました。“シャリ”の部分は麺に米粉を練り込むことで表現しています」と久保さん。
「魚男」の熟練の板前さんが、久保さん考案のレシピでラーメンを作ってくれます。
スープは、昆布とカツオ節で毎日引く「魚男」自慢の一番出汁。さまざまな既存メニューにも使われる、味の要ともいえる清湯スープです。
鮨を口に運ぶと、餅麩のもっちりとした食感の後、染み込んだ和風出汁がジュワリと染み出してきて、ネタのうまみとともに口に優しく広がります。
アクセントで生わさびがピリッ、柑橘の風味がふわりと香るのもいいですね。
鮨を食べた感もありつつ、熱々の豚のラードも程よく加えてあるのも相まって、しっかりとラーメンとしても成り立っています。
麺は、「月や」のものも手がける「博多製麺処」に、今回のために特注した中太ストレートです。福岡県産のラーメン用小麦「ラー麦」に米粉を25%の割合でブレンドしているため、モチモチ感、ツルシコ感が引き立っていますね。色味も通常の麺より白く見えます。
「博多製麺処」の中野藍さんにも話を聞くと、「コンセプトを聞いてまずおもしろい!と思いました。新しいことにチャレンジする店主さんには協力を惜しみません。米粉入りの麺はこれまで5~10%のブレンド率で作ってきましたが、今回は『米の風味をできるだけ立たせたい』との要望があったため、極限まで高めた25%に設定。よりヒキがあり、米の味、香りが大! の麺に仕上がっています」。
ネタを麩にのせ、シャリは麺で表現する。というアイデアにも膝を打ちますが、「味の変化が楽しめる」のも、意欲的に鮨をラーメンにオンしたからこそです。
つまり、刺身に少しずつ熱が入り、身の食感や味わいが変わり、脂が染み出してスープもよりコク深くなるんですね。
魚の旨味が染み出たスープに、焼きおにぎりを入れて茶漬けに。
熊本県産米を土鍋で炊いたおにぎりに、刷毛で醤油を塗り込みながら焼き目を入れています。香ばしさも加わり美味。最後まで飽きが来ず、満足できました。
この「クボそば」は6月30日(木)まで、今泉の「博多炉端 魚男」でランチ、ディナータイムとも楽しむことができます。
結果的に鮨“風”のラーメンでありますが、「博多炉端 魚男」にぴったりで、コラボした久保さんの鮨、ラーメン職人としてのセンス、創意工夫も存分に感じられる淡麗ラーメンでした。
そして、焼きおにぎり付きで800円に抑えてあるのも好印象。
現在すでに、昼夜ともに30、40杯は出ているそう。
1日の限定杯数は設けていないので期間中に訪れれば確実に食べられます。
ぜひお試しあれ。
例年以上の豊作年となることを予感させる勢いでオープンラッシュに沸いているだけでなく、いわゆる“コラボラーメン”開催のNEWSもよく耳にするようになりました。自店の創作麺イベントの枠を超え、他のゲスト店主を招いたり、麺・スープ・具を掛け合わせる“コラボ”が多いことが昨今の流れ。「皆で盛り上げて、この苦境を乗り越えようぜ!」と、業界の結束が高まっているように感じます。
そんな中で飛び込んできたコラボラーメンの新情報が、 「博多炉端 魚男」×ラーメン職人・久保徹氏 コラボラーメン「クボそば」を6月30日(木)まで販売。
しかも、ラーメンのテーマは「鮨」!? ですと!
今までなかった異色のコラボ。
前情報で、これだけ興味をそそられるラーメンってなかなかないですよね。
なんてったって味の想像がつかないですから。
これは食べてみるしかない! ってことで早速行ってみました。
「クボそば」が食べられる「博多炉端 魚男(フィッシュマン)」は今泉にあり、その名の通り魚に強い炉端焼きの居酒屋。そして久保徹さんは鮨の名店「博多高玉」での約10年間の修業を経て、現在は「豚そば 月や 大名店」の店主をされています。
腕利きの鮨職人であり、ラーメン職人でもある方なんですね。
僕自身、久保さんのことは「豚そば 月や 大名店」を出す前、鮨からラーメンの世界へ入ったころから存じ上げていて、創作意欲にあふれ、とても繊細な手仕事をする方との印象があります。例えば、コロナ禍になった直後に「豚そば 月や 大名店」で持ち帰り用のちらし寿司を作っていたのですが、これがため息の出るくらい端正なビジュアル。“ラーメン店の美しすぎるちらし寿司”として話題を集めました。
そんな久保さん(写真右)と、親交のある「博多炉端 魚男」行武知美店長との縁で実現した今回のコラボ。
何より「ラーメン」でどのように、「鮨」を表現するかに注目ですね。
というのも、ラーメンと鮨は、いわば“クールな日本食の4番バッター”同士ですから、全国、世界でも組み合わせた例があっていいはず。でも、あまり聞いたことないですよね? きっと、それだけ難しいんです。北九州に「四方平(よもへい)」というラーメン&鮨が名物の超老舗がありますが、あくまで鮨は別皿で出てくるサイドメニューです。
ワクワクしながら待ちわびた「クボそば」(800円、焼きおにぎり付き)がこちらです。
うおっ! 鮨がしっかり乗ってるやん!
ネタはマグロ、タイ、青魚(この日はヒラス)。
澄んだ清湯スープ、麺の上に鮨3貫がオンされています。
シャリはどうなってるの? と箸でめくると……。
なんだこのプニッとしたもの?
実は、米ではなく“餅麩”なんです。
「麺、スープ、具の三味一杯。丼全体で“鮨”を表現したラーメンです。単に鮨をのせるだけでは、どうしても別々に食べた方が良いとなってしまいます。バランス良くそれぞれの素材の味を生かし、あくまで一杯のラーメンとして完成させるため“餅麩”という食材を思いつきました。“シャリ”の部分は麺に米粉を練り込むことで表現しています」と久保さん。
「魚男」の熟練の板前さんが、久保さん考案のレシピでラーメンを作ってくれます。
スープは、昆布とカツオ節で毎日引く「魚男」自慢の一番出汁。さまざまな既存メニューにも使われる、味の要ともいえる清湯スープです。
鮨を口に運ぶと、餅麩のもっちりとした食感の後、染み込んだ和風出汁がジュワリと染み出してきて、ネタのうまみとともに口に優しく広がります。
アクセントで生わさびがピリッ、柑橘の風味がふわりと香るのもいいですね。
鮨を食べた感もありつつ、熱々の豚のラードも程よく加えてあるのも相まって、しっかりとラーメンとしても成り立っています。
麺は、「月や」のものも手がける「博多製麺処」に、今回のために特注した中太ストレートです。福岡県産のラーメン用小麦「ラー麦」に米粉を25%の割合でブレンドしているため、モチモチ感、ツルシコ感が引き立っていますね。色味も通常の麺より白く見えます。
「博多製麺処」の中野藍さんにも話を聞くと、「コンセプトを聞いてまずおもしろい!と思いました。新しいことにチャレンジする店主さんには協力を惜しみません。米粉入りの麺はこれまで5~10%のブレンド率で作ってきましたが、今回は『米の風味をできるだけ立たせたい』との要望があったため、極限まで高めた25%に設定。よりヒキがあり、米の味、香りが大! の麺に仕上がっています」。
ネタを麩にのせ、シャリは麺で表現する。というアイデアにも膝を打ちますが、「味の変化が楽しめる」のも、意欲的に鮨をラーメンにオンしたからこそです。
つまり、刺身に少しずつ熱が入り、身の食感や味わいが変わり、脂が染み出してスープもよりコク深くなるんですね。
魚の旨味が染み出たスープに、焼きおにぎりを入れて茶漬けに。
熊本県産米を土鍋で炊いたおにぎりに、刷毛で醤油を塗り込みながら焼き目を入れています。香ばしさも加わり美味。最後まで飽きが来ず、満足できました。
この「クボそば」は6月30日(木)まで、今泉の「博多炉端 魚男」でランチ、ディナータイムとも楽しむことができます。
結果的に鮨“風”のラーメンでありますが、「博多炉端 魚男」にぴったりで、コラボした久保さんの鮨、ラーメン職人としてのセンス、創意工夫も存分に感じられる淡麗ラーメンでした。
そして、焼きおにぎり付きで800円に抑えてあるのも好印象。
現在すでに、昼夜ともに30、40杯は出ているそう。
1日の限定杯数は設けていないので期間中に訪れれば確実に食べられます。
ぜひお試しあれ。
店名 | 博多炉端 魚男(フィッシュマン) |
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住所 | 福岡市中央区今泉1-4-23 |
電話番号 | 092-717-3571 |
営業時間 | 11:00~15:00/17:00~23:00 |
定休日 | 月曜 |
URL | https://sakanaotoko.com |
※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等は変更の場合があるため、
おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
※撮影時にマスクやアクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
外部リンク
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