本日訪れたのは、警固交番から警固本通りを桜坂方面へ進んで、筑紫女学園の手前を左に入ったところにあるお店です。実は訪問は2回目。古民家に小ぶりな提灯が灯されています。小さな看板には「警固 ふるや」の文字。以前、オープン時にこちらの記事で紹介させていただいたお店です。何故、再度ご紹介するのか、それには訳があります。オープン当初はコーススタイルでの営業だったのですが、最近アラカルト営業も始められたのだとか。その真意を探りにやってきたのです。
中に入るとカウンター席で料理長の森博志さん(写真左)とスタッフの松木邦明さんが迎えてくれました。10席のみのコンパクトな造りです。
「事前に受け付けるコースも引き続きご提供していますが、6月からアラカルト営業もスタートさせました」と森さん。近所には年配の方も多く、コースのお店と言うと、「そんなに食べられないからね」と残念がられることがあったのだとか。また、平尾にある姉妹店の「鶏と肴 フルヤ」が満席の際に案内できるようにしたいとの想いもあり、試験的にアラカルト営業を開始しました。
「それが、なんだか楽しくて」と料理長ならではの喜びを語ってくれた森さん。「コースももちろん楽しいのですが、どうしても使う食材が限られてしまうんです。流れやコースならではの贅沢感も考えないといけないので。アラカルトを始めて、青いトマトがあったので浅漬けにしてちょっとした季節の一品でメニューに載せたんです。それがお客様にも喜んでもらえて」。食材の幅も広がり、作り手としても「アラカルト、続けたい!」と感じて本格始動となったのだそう。
メニューにはその日の刺身や串物、締めの一品が並んでいます。そしてボードに書かれたおすすめには、野菜や魚の炭焼き、季節もの、300円からのおばんざいメニューまで。しっかり食事もできるし、軽くお酒と一緒に楽しむのも良さそうです。
きょうはアラカルトメニューから自慢の品を3品いただくことにしました。まずは「刺身の盛り合わせ」(1,600円)。店主の出身が対馬であることから、鮮魚もこだわって選んでいます。2人前の量が基本ですが、1人客にはハーフサイズを。また2名で来店した方にも希望があれば、一皿ずつ分けて提供してくれます。さすが、コースからスタートしたお店ならではの気遣いです。
ということで、私もハーフサイズ(800円)で出していただきました。対馬のこち、福岡のマダコ、北海道のバフンウニ、山口の剣先イカ、福岡の鯛のウニ巻き。個性光るネタはどれも鮮度の良さを感じる弾力と濃い味わいで、思わず唸ってしまいました。
2品目は、やはりこれです。「ふるや」といえば「高坂鶏」。噛み締めるほどにあふれる旨味が特徴の希少なブランド鶏のもも肉を含めた串盛り「おまかせ5本」(1,500円)をいただきます。炭でじっくり焼いたもも身はジューシーで脂の美味しさもたまりません。他、めひかり、ホタテ、博多地鶏のはつ、砂ずりがこの日のセットでした。
「高坂鶏」は希少なため、アラカルトでは売り切れてしまうこともしばしば。コースには必ず入るので、「高坂鶏」目当ての方はコースがおすすめですよ。
最後は締めの一品に「昆布出汁つけ麺」(800円)を。水出し昆布出汁に浸した細めの平打ち麺を、「高坂鶏」のスープをベースにしたつゆに絡めていただきます。このつゆには鶏の脂に香味野菜を加えた自家製の「高坂鶏のゴールドオイル」が仕上げに加えられています。深みのあるコクと甘みに誘われて、箸が止まりません。
実はこのオイル、販売もしています(650円)。炒め物がお店の味に近づきますよ。
2階のワインセラーには珠玉の400本がスタンバイ。約15品のめくるめくコース料理を堪能するもよし、アラカルトで好きなものを頼むもよし。路地裏「警固 ふるや」の楽しみ方が2倍に膨れ上がりました。みなさんも赤々と灯る提灯を目指して訪ねてくださいね。
※価格はすべて税別
ジャンル:日本料理、焼鳥
住所:福岡県福岡市中央区警固2-9-14
電話番号:080-4311-1114
営業時間:18:00~OS23:00(コースはOS21:00で予約制)
定休日:日曜
席数:カウンター10席
個室:なし
メニュー:刺身の盛り合わせ1,600円、串焼きおまかせ5本1,500円、昆布出汁つけ麺800円、高坂鶏コロッケ280円、おまかせコース10,000円、(すべて税別 ※サービス料3%)
URL:https://instagram.com/kego_furuya?r=nametag
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