「福岡PayPayドーム」近くのTNC放送会館「パヴェリア」にある「寿司 まさ庄」は、今年で創業25年。昼はオフィス街に勤めるビジネスマンが詰めかけますが、夜は周辺に住む住民で賑わいます。1990年代に新しく開発された街区ですが、そんななか四半世紀にわたって百道浜の「町寿司」として愛され続けています。
和洋中のレストランが同居する飲食ゾーンにある店は、カウンター、テーブル合わせて12席の小さな造り。暖簾をくぐり、ホスピタリティにあふれた女将さんの案内でカウンター席に着くと、大将の功野正直さんが「いらっしゃい」と迎えてくれました。
「まさ庄」の屋号が示すように、大将の功野正直さんは西中洲の老舗「河庄」でおよそ20年にわたって修行した寿司職人。「誰もが気軽に楽しめる寿司屋を開きたかった」と、いつも柔和な笑顔で客に接してくれます。
寿司割烹出身の大将だけに、寿司だけでなく一品料理も見逃せません。ふくよかな出汁が香る「じゃがいも饅頭のあんかけ」は、赤いピクルスと緑の枝豆が彩りと食感のアクセントに。新鮮な素材をシンプルに焼いた「甘鯛の塩焼き」には、紅色のはじかみと蓮根の酢漬け、もろきゅうが添えられています。どちらも和食の技を凝らした料理で、その完成度の高さに脱帽です。
さて、いよいよお待ちかねのにぎり寿司です。昼のサービスメニュー「小春にぎり」(1,650円)もリーズナブルですが、夜でも2,200円から4,400円という長年据え置きの価格には頭が下がる思いです。写真は「上にぎり」(3,300円)で、左上からヒラメ、トロ、イカ、生穴子、玉子焼、車エビ、カイワレ、ホタテ、ウニ、煮穴子の10貫。次から次へと流れるように握っていくのは、まさに熟練の手業。朝倉の柿酢を使ったシャリは程よい大きさで、サビを効かせることでネタの旨味を引き立てています。
特筆すべきは、寿司ネタとしては珍しい生穴子です。薄造りのシャキッとした歯ごたえに、ネタに忍ばせたピリッと辛い柚子胡椒のサプライズ。ふっくら炊いた煮穴子と食べ比べれば、味と食感のコントラストがいっそう際だちます。
にぎり寿司はお好みで注文することもできるほか、写真の細巻き、中巻き、太巻きの巻き物、バッテラや穴子の押し寿司、さらには各種ちらし寿司まで。多彩な寿司メニューが用意されているのも嬉しい限りです。
お得なランチのサービスメニューから、夜は酒に合わせた一品料理まで、どんなシチュエーションでもTPOに合わせて利用できる柔軟性が魅力の町寿司。地元民ならずとも、わざわざ百道浜まで足を運ぶ価値は大いにあります。
ジャンル:寿司
住所:福岡市早良区百道浜2-3-2TNC放送会館1F
電話番号:092-724-7848
営業時間:11:30~OS13:00/17:00~OS21:30
定休日:第2・4・5水曜
席数:カウンター6席、テーブル6席
個室:なし
メニュー:小春にぎり1,650円(昼のみ)、おさんにぎり2,200円、上にぎり3,300円、特上にぎり4,400円、細巻き300円~、押し寿司1,200円~、ちらし寿司1,500円~
URL:https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400203/40010590/
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