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魚ロボット・宇宙へ羽ばたく

とある大学の研究室。水槽のなかを気持ちよさそうに泳いでいるのは、タイやエイをかたどった魚ロボットたち。北九州市立大学の山本郁夫教授(51)が水中観測を目的に開発した。ポイントは魚独特の柔らかなヒレの動き。弾性振動翼(だんせいしんどうよく)と呼ばれる山本教授独自の技術だ。見た目も動きも本物そっくりにこだわったのは、魚たちに恐怖心を与えず、近づくことを目的にしたから。

そんな魚ロボットに意外な人が注目した。「水中を泳げるならば、宇宙も泳げるかもしれない」。提案したのは宇宙飛行士で同じ九州大学出身の若田光一さんだ。2009年、自らが搭乗するスペースシャトルに持ち込み、実験が行われた。結果は見事成功。魚ロボットは華麗に宇宙を舞った。

山本教授は今、新たなロボットの開発を進めている。今度はマンタ型。人の手を借りず自動で動き、壁などにもぶつからないような技術が使われているという。さらに、宇宙船内に漂うちりを掃除するミッションも可能にした。ただ、宇宙へ行くためには、数々の壁を乗り越えなければならない。北九州で生まれた魚ロボットは再び宇宙で泳ぐことができるのか?
世界を超え、宇宙へと挑戦する壮大な研究に注目!

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