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琉球の光と色をカタチに ~工芸ガラスから生まれた宝石~

ジョイア・デ・レキオ。ポルトガル語で「琉球の宝石」と名付けられたジュエリーがある。
赤、青、緑、スカイブルー…南国沖縄の色鮮やかな風土をそのまま再現した色合いと、高級感がありながらも温もりを感じさせるデザインが特徴で、幅広い年代の女性から支持を集める。実はこのジュエリーは、沖縄土産の定番の工芸ガラス「琉球ガラス」でできていた。

手がけるのは、デザイナーの稲嶺佳乃(いなみね よしの)さん(39)。稲嶺さんは、琉球ガラスの会社を経営していた父の影響で、幼い頃から職人の手仕事を間近に見てきた。琉球ガラスを扱う土産品店などで働いたのち、2011年に琉球ガラスジュエリーブランド「ジョイア・デ・レキオ」を立ち上げた。

ジュエリー作りのきっかけは「ベネチアングラスのような琉球ガラスのアクセサリーは出来ないのか」という客の一言。それまで琉球ガラスは、ガラスの性質や製造工程上、繊細な加工を必要とする宝飾品には不向きと考えられていた。

職人たちと試行錯誤を重ね、7年かけて完成した「琉球の宝石」。デビューからわずか3年だが、大阪に2店舗を構えるほか、海外の展示会にも積極的に参加。世界に通用するガラスジュエリーを目指し挑戦が続く。

琉球ガラスジュエリーショップ ジョイア・デ・レキオ
本店
住所 沖縄県宜野湾市大山2-27-13
TEL  098-943-0738
その他の情報 http://joia-dl.com/
大阪ギャラリー
住所 大阪府大阪市中央区心斎橋筋2-5-15
クロスホテル大阪 内
TEL 06-6213-5000(直通)

取材後記

沖縄を訪れたことがある方なら、きっと一度は見たり触れたりしたことがあるハズ…!それが、沖縄の工芸ガラス「琉球ガラス」です。国際通りや空港、飲食店など…本当に、至る所にあふれています。

沖縄県民にとって、琉球ガラスがどんな存在かというと、「普段使いの日用品」というより「土産物」「贈り物」という存在。毎日の暮らしで、ガンガン使う…という方は、そう多くはありません。ひと昔前は、新築祝いに、琉球ガラスで作られた「花」を贈るのが定番だったそう。私も、祖母の家の床の間に、琉球ガラスの造花が飾られているのを見たような気がします。琉球ガラスは、生活文化の一部だったのですね。

今回ご紹介したジョイア・デ・レキオの稲嶺さんは、お父様が、琉球ガラスの会社を営んでいたこともあり、琉球ガラスの変遷を、身近に感じてきました。
観光土産として定着するようになった琉球ガラスですが、稲嶺さんは、「工芸品は、地元の生活文化に根付いてこそ発展する」と考えています。そのため、「沖縄の女性が、毎日身につけたくなるジュエリー」を心がけています。工芸ガラスの“アクセサリー”ではなく、“ジュエリー”。野暮ったくならないように、細心の注意を払います。お客さんも、「琉球ガラスだから買う」のではなく「素敵だから欲しい!」という方ばかり!ジュエリーを通して、琉球ガラス職人の技術の素晴らしさを知るのです。

ちなみに、稲嶺さんは、友人たちから「おしゃれ番長」と呼ばれるほど、おしゃれ好き。ガラス工房に行く時も、これが普段着!?というほどの華やかさ。稲嶺さんのおしゃれのセンスも、ジュエリーの魅力の源です。

3周年を迎えたばかりの、まだ新しいブランドですが、そのうしろに、熟練の職人たちがついています。ベネチアングラスのジュエリーのように、琉球ガラスも世界中の人に愛されるジュエリーに。これからが楽しみです。
担当 RBC 琉球放送 比嘉 チハル

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