~RKBラジオ 弓削聞平スマイルディッシュ(毎週金曜午後6時45分~)より~
飲食店がひしめき、全国の食通が注目する街・福岡。この街で、食を通して人々に笑顔を与えている、料理人やソムリエたちをゲストに迎え、ここ10年でのべ1万軒外食している弓削聞平と、世界中の食を語れるアナウンサーになりたい田中みずきの2人が、彼らの情熱の源に迫ります。
外食はやっぱり楽しいですね。家では食べられない豪華な食材や料理人の技を堪能し、美味しい料理や酒に舌鼓......というのはもちろんですがそれだけじゃない。お店の方にお会いすることで元気をもらえる、というのも大きな理由の1つではないでしょうか。
今回のゲストはいつも活気に溢れている「コマツ」を経営する松村宗孝さん。福岡や東京で11店舗を展開する系列の1号店「コマツ大名店」(福岡市中央区大名)を訪ねました。
「人が集まるところには必ず、コマツがありますね(笑)。地域の客層に合わせたコンセプトで出店されているように見受けられますが、どうでしょう?」と弓削さんの問いに、「まさにその通りです」と松村さん。
「大名店は、バーだけどカジュアルなレストランぽい感じもしますね」田中アナが店内を見回します。
「ここ大名店は創業店で、自分がバーをやりたくて作ったお店なんです。最初はこんなに食事を出す予定はなかったんですが、だんだん進化しました(笑)」
現在「コマツ大名店」はイタリアンバルのようなスタイルで、気軽にお酒を飲みながらピザやパスタ、タパスなどが楽しめます。また他の店舗では、中華もあれば、餃子や肉料理などそれぞれで特徴を持って展開しています。この町にこんな店があったら喜ばれるのでは、と考えて出店されているそうです。
「『コマツ』系列の店はどこも女性や若いお客さんが多いイメージ。外からでもお店が賑っているのが伝わってきます」と弓削さん。
「そうですね。サラリーマンをターゲットにしている店も多いのですが、どこもおしゃれな雰囲気にしているせいか、女性のお客様にはどの店にも沢山来ていただいてます」
松村さんには店作りで大切にしていることがあるそうです。
「我々はお客様の貴重な時間を預けてもらっているんです。ですから、常にそのことをしっかりと意識しよう! とスタッフと話しています」。
「だから、みんな元気がよくてどの店も明るい接客が徹底されているんですね!」と感心する弓削さん。
「松村さんのそういった意識が、アルバイト一人ひとりにまで行き渡っている感じがするんです。実はこれは一番難しいこと。でも、この店ではそれがきちんとできているから繁盛するんでしょうね」
働いている人たちが楽しそうに見える、それもコマツグループの魅力だと弓削さんは語ります。 松村さん曰く、店を安心して任せられるスタッフが多いのも理由の1つなのだそう。「私が育児休暇を取った時、ほぼ全ての仕事をスタッフに任せる形になったんです。そこでみんなの可能性というか、無限の強さを見せてもらいました。自分が期待していた以上にスタッフが輝いていて、すごいなと思ったんです」
自分の夢を叶えるのと同じように、スタッフの夢も叶えたい、その思いが松村さんの根本にあるのです。
さあ、ここからは松村宗さんという人物像にクローズアップしていきましょう。ご出身の久留米では、お父様が自宅の1階でバーを経営されていたそうです。
「いつも身近なところに商売がありました。子どもの頃から父の仕事を見ていたんです。店からはいつも楽しそうな声が聞こえていました」
そんな環境で育った松村さん。飲食業に興味はあったものの、他業界への関心も捨てきれず、地元のアパレル企業に就職します。しかし、お給料のほとんどを大好きな食べ歩きに費やしていました。そうして改めて自分の好きな道を確信するのです。
「1年半くらいで仕事を辞め、地元のバーで働きました。その後九州を離れ、東北のスキー場や海外にも行きました」イギリスに渡り、本場のアイリッシュパブへ足を運ぶ日々。パブでは、朝からコーヒーを飲む人もいれば、ビールを飲む人、軽く食事をする人、常に人が集まっておしゃべりを楽しんいでる様子をみて、松村さんは日常に溶け込む地元のパブに魅力を感じました。
そして帰国。いざ飲食店に就職しようといくつも面接を受けますが......
「面接、ほぼ全部落ちました(汗)。受かったのはたった一社。ONOグループ(ディー・ディー・カンパニー)の小野社長が採用してくれました」
ONOグループで松村さんは頭角を表します。
「小野社長は面接の時にどんな言葉をかけてくれたんですか?」と田中アナ。
「なんと、いきなり説教されたんですよ。それがとても印象的でした。驚いたけど、まっすぐ向き合ってくれる方だなぁと思いました。そこからONOグループで無我夢中に働いて、今があります」
ONOグループといえばこちらも福岡を代表的する飲食店です。福岡中のお店を知り尽くす弓削さんにも、ONOには深い思い入れがあるといいます。
「ONOグループの最初の店舗が舞鶴にできた頃、僕はまだ会社員でした。食べて飲んだ帰り際に、おみやげにとおにぎりを渡してくださったんです。当時そういうサービスをしているお店はほとんどなくて、とても新鮮に感じましたし、サービス精神に溢れたお店だなって」
料理も美味しく値段も手頃で好印象でしたが、何より心を打たれたのはそのホスピタリティだったと話します。
「ONOグループの精神が今のコマツグループにも脈々と受け継がれているなぁと思うんですよ」と弓削さん。
その後松村さんは大きくなったONOグループを辞めて独立。ずっとやりたかったパブをスタートします。
「実は1つの店舗だけでずっとやっていこうと思っていて。店舗展開は全く考えていなかったんです」という松村さんの意外な言葉に「へー!分からんもんですね」と弓削さんも笑います。
最後に、これから飲食業界を目指す人たちに松村さんからひと言。
「人と人とが関わる仕事なので、いつも気持ちよく振る舞うことが一番だと思います。元気に明るくて接していれば、ありがとうって言ってもらえる。こんなにいい仕事はないと思います。まずは、気持ち。それさえあればみんなに平等にすごいチャンスがある仕事だと思うんです。飲食業へウェルカム! こんな楽しい仕事はないですよ」
温かい言葉をいただきました。お話ありがとうございました!
RKBラジオ「弓削聞平スマイルディッシュ」番組公式Twitter @rkbyuge 2021年1月放送
#COMATSU #コマツ #松村宗孝 #弓削聞平 #田中みずき
ライタープロフィール:本田淑子
フードディレクター&栄養士
食の企画あれこれ。魚食を盛り上げる「サカナグミ」や子ども達と一緒に料理を楽しむ
「放課後ゴハン倶楽部」なども主催。https://www.plantecook.com
*RKBラジオ「スマイルディッシュ」は2021年3月で終了いたしました
飲食店がひしめき、全国の食通が注目する街・福岡。この街で、食を通して人々に笑顔を与えている、料理人やソムリエたちをゲストに迎え、ここ10年でのべ1万軒外食している弓削聞平と、世界中の食を語れるアナウンサーになりたい田中みずきの2人が、彼らの情熱の源に迫ります。
外食はやっぱり楽しいですね。家では食べられない豪華な食材や料理人の技を堪能し、美味しい料理や酒に舌鼓......というのはもちろんですがそれだけじゃない。お店の方にお会いすることで元気をもらえる、というのも大きな理由の1つではないでしょうか。
今回のゲストはいつも活気に溢れている「コマツ」を経営する松村宗孝さん。福岡や東京で11店舗を展開する系列の1号店「コマツ大名店」(福岡市中央区大名)を訪ねました。
「人が集まるところには必ず、コマツがありますね(笑)。地域の客層に合わせたコンセプトで出店されているように見受けられますが、どうでしょう?」と弓削さんの問いに、「まさにその通りです」と松村さん。
「大名店は、バーだけどカジュアルなレストランぽい感じもしますね」田中アナが店内を見回します。
「ここ大名店は創業店で、自分がバーをやりたくて作ったお店なんです。最初はこんなに食事を出す予定はなかったんですが、だんだん進化しました(笑)」
現在「コマツ大名店」はイタリアンバルのようなスタイルで、気軽にお酒を飲みながらピザやパスタ、タパスなどが楽しめます。また他の店舗では、中華もあれば、餃子や肉料理などそれぞれで特徴を持って展開しています。この町にこんな店があったら喜ばれるのでは、と考えて出店されているそうです。
「『コマツ』系列の店はどこも女性や若いお客さんが多いイメージ。外からでもお店が賑っているのが伝わってきます」と弓削さん。
「そうですね。サラリーマンをターゲットにしている店も多いのですが、どこもおしゃれな雰囲気にしているせいか、女性のお客様にはどの店にも沢山来ていただいてます」
松村さんには店作りで大切にしていることがあるそうです。
「我々はお客様の貴重な時間を預けてもらっているんです。ですから、常にそのことをしっかりと意識しよう! とスタッフと話しています」。
「だから、みんな元気がよくてどの店も明るい接客が徹底されているんですね!」と感心する弓削さん。
「松村さんのそういった意識が、アルバイト一人ひとりにまで行き渡っている感じがするんです。実はこれは一番難しいこと。でも、この店ではそれがきちんとできているから繁盛するんでしょうね」
働いている人たちが楽しそうに見える、それもコマツグループの魅力だと弓削さんは語ります。 松村さん曰く、店を安心して任せられるスタッフが多いのも理由の1つなのだそう。「私が育児休暇を取った時、ほぼ全ての仕事をスタッフに任せる形になったんです。そこでみんなの可能性というか、無限の強さを見せてもらいました。自分が期待していた以上にスタッフが輝いていて、すごいなと思ったんです」
自分の夢を叶えるのと同じように、スタッフの夢も叶えたい、その思いが松村さんの根本にあるのです。
さあ、ここからは松村宗さんという人物像にクローズアップしていきましょう。ご出身の久留米では、お父様が自宅の1階でバーを経営されていたそうです。
「いつも身近なところに商売がありました。子どもの頃から父の仕事を見ていたんです。店からはいつも楽しそうな声が聞こえていました」
そんな環境で育った松村さん。飲食業に興味はあったものの、他業界への関心も捨てきれず、地元のアパレル企業に就職します。しかし、お給料のほとんどを大好きな食べ歩きに費やしていました。そうして改めて自分の好きな道を確信するのです。
「1年半くらいで仕事を辞め、地元のバーで働きました。その後九州を離れ、東北のスキー場や海外にも行きました」イギリスに渡り、本場のアイリッシュパブへ足を運ぶ日々。パブでは、朝からコーヒーを飲む人もいれば、ビールを飲む人、軽く食事をする人、常に人が集まっておしゃべりを楽しんいでる様子をみて、松村さんは日常に溶け込む地元のパブに魅力を感じました。
そして帰国。いざ飲食店に就職しようといくつも面接を受けますが......
「面接、ほぼ全部落ちました(汗)。受かったのはたった一社。ONOグループ(ディー・ディー・カンパニー)の小野社長が採用してくれました」
ONOグループで松村さんは頭角を表します。
「小野社長は面接の時にどんな言葉をかけてくれたんですか?」と田中アナ。
「なんと、いきなり説教されたんですよ。それがとても印象的でした。驚いたけど、まっすぐ向き合ってくれる方だなぁと思いました。そこからONOグループで無我夢中に働いて、今があります」
ONOグループといえばこちらも福岡を代表的する飲食店です。福岡中のお店を知り尽くす弓削さんにも、ONOには深い思い入れがあるといいます。
「ONOグループの最初の店舗が舞鶴にできた頃、僕はまだ会社員でした。食べて飲んだ帰り際に、おみやげにとおにぎりを渡してくださったんです。当時そういうサービスをしているお店はほとんどなくて、とても新鮮に感じましたし、サービス精神に溢れたお店だなって」
料理も美味しく値段も手頃で好印象でしたが、何より心を打たれたのはそのホスピタリティだったと話します。
「ONOグループの精神が今のコマツグループにも脈々と受け継がれているなぁと思うんですよ」と弓削さん。
その後松村さんは大きくなったONOグループを辞めて独立。ずっとやりたかったパブをスタートします。
「実は1つの店舗だけでずっとやっていこうと思っていて。店舗展開は全く考えていなかったんです」という松村さんの意外な言葉に「へー!分からんもんですね」と弓削さんも笑います。
最後に、これから飲食業界を目指す人たちに松村さんからひと言。
「人と人とが関わる仕事なので、いつも気持ちよく振る舞うことが一番だと思います。元気に明るくて接していれば、ありがとうって言ってもらえる。こんなにいい仕事はないと思います。まずは、気持ち。それさえあればみんなに平等にすごいチャンスがある仕事だと思うんです。飲食業へウェルカム! こんな楽しい仕事はないですよ」
温かい言葉をいただきました。お話ありがとうございました!
RKBラジオ「弓削聞平スマイルディッシュ」番組公式Twitter @rkbyuge 2021年1月放送
#COMATSU #コマツ #松村宗孝 #弓削聞平 #田中みずき
ライタープロフィール:本田淑子
フードディレクター&栄養士
食の企画あれこれ。魚食を盛り上げる「サカナグミ」や子ども達と一緒に料理を楽しむ
「放課後ゴハン倶楽部」なども主催。https://www.plantecook.com
*RKBラジオ「スマイルディッシュ」は2021年3月で終了いたしました
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