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島をまるごと自動車工場に ~沖縄EVが駆ける~

ビジネス
沖縄県うるま市のエンジニア集団「ものづくりネットワーク沖縄」では、県内で生産できる電気自動車(EV/エレクトリックビーグル)の開発を進めている。ただし、開発しているのは、車そのものではない。「市販車の車体に電池やモーターをのせた『コンバートEV』を、街の自動車整備工場で生産する。」というビジネスモデルを開発しているのだ。

鉄道が走っていない沖縄では、自家用車が通勤通学の足として欠かせないが、その一方で、沖縄本島を端から端まで走っても200キロ余り。1日の走行距離が数キロ程度のセカンドカーなら大手メーカー製のような高スペックはなくてもいい。
目指すは、最高時速80キロ、航続距離100キロ程度。このスペックで販売価格を100万円以下に抑えることが出来れば十分に商品になると見込む。

製造のベースとなるエンジン自動車は世界中を走り回り、秘境と呼ばれる奥地まで送電線が伸び続ける昨今。「街の自動車整備工場でコンバートEVを生産」というスタイルが確立できれば、沖縄県内外はもとより、発展著しいアジア・アフリカの国々にも展開していけるはず。さらなる完成形を目指して若きエンジニアたちは研究と挑戦を続けている。
<取材先データ>
一般社団法人 ものづくりネットワーク沖縄
住所:〒904-2311 沖縄県うるま市勝連南風原5192-30
TEL:098-923-0877
FAX:098-923-0878

取材後記

「ガソリンエンジン車に比べて電気自動車の構造はシンプル」。取材前はそう考えていましたが、そこはやはり『自動車』。バッテリーの電流調整や、モーターのコントロール、様々なパーツの設計・製造、などなど。思ったほどシンプルではありませんでした。

さて、車やバイクって、寿命があるというか、どんなに大事に乗っていても、「修理するより新車を買った方が安い」って瞬間が必ず来ちゃうんですよね。10年以上も苦楽を共にしてきた赤いバイクがトラックの荷台に積まれて運ばれていく姿・・・。目をつぶれば、あの時の寂しさとともにまぶたの裏によみがえります。

ガソリン車のエンジンをモーターに乗せ換える改造電気自動車「コンバートEV」。今回の番組では、軽自動車ベースのコンバートEVを街の整備工場で製造するというビジネスモデルをメインの話題として紹介しています。が、個人的には、私と同じ年齢の「日産ダットサン」をベースにしたコンバートEVに、一番の魅力と、もしかしたら、一番の大きなビジネスの匂いを感じたのでした。

RBC 琉球放送 報道制作部 田村 健介

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