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世界で唯一を世界一に! ~火の島・桜島に魅せられて~

年間数百回もの爆発を繰り返す、世界でも有数の活火山・桜島。活火山のすぐ近くで人々が普通に生活をしている地域は、世界中を見渡してもほとんどない。そんな桜島にある国民宿舎・レインボー桜島に、2年前に支配人として赴任した飯嶋修さん(47)。神奈川県横浜市の出身の飯嶋さんは、これまで全国各地の国民宿舎を転勤で回ってきたが、桜島が一番魅力的だと話す。

例えば、間近で見ることができる噴煙、砂浜を掘ったら湧き出る温泉、目の前の錦江湾に残る豊かな自然、火山とともに暮らす人々の生活などなど、直で火山の活動を感じることができるのは、世界で唯一、桜島だけ。元々シーカヤックなどアウトドアが好きな飯嶋さんにとって、桜島は「宝島」だった。

その一方で、そんな世界一の桜島の魅力が、まだあまり知られていないと感じた飯嶋さんは、様々な桜島を体験できる企画を始めた。火口の観察やシーカヤック体験など、飯嶋さん発案のプランは多岐に及ぶ。
冬場には“世界一大きな大根”桜島大根の収穫体験も実施。宿泊客以外にも、広く桜島の魅力を伝えようと奮闘中だ。目指すは「桜島の魅力発信基地」。世界で唯一を楽しめる、世界一の場所に。飯嶋さんの挑戦は、まだ始まったばかりだ。
<連絡先>
国民宿舎 レインボー桜島
〒891-1419 鹿児島市桜島横山町1722-16
電話:099-293-2323
URL:http://www.rainbow-sakurajima.com/

取材後記

私たち鹿児島で暮らす人間にとって、桜島はごくごく普通にある存在です。時々灰が降るのが面倒くさい、厄介な存在というイメージすらあります。そんな「普通」のすごさを、県外から来た飯嶋さんはさらりと見つけ出し教えてくれました。私にとって桜島は、近すぎて見えにくい存在なのかもしれません。

その魅力のひとつである「自然」に、今回の取材ではずいぶん泣かされました。取材を予定していたシーカヤック体験は、台風の接近のため中止。撮影中にドカ灰(大量の火山灰が降ることを、鹿児島ではこのように呼びます)に見舞われたかと思えば、噴火の瞬間を待っていてもなかなか煙を上げてくれない… そして番組内でも紹介したように、御嶽山の災害も取材に大きく影響しました。

もちろん、活火山の桜島、油断は禁物で万が一への備えは必要です。でも、それも含めての自然であり、桜島。もし鹿児島に来る機会があれば、おとな片道160円のフェリーに乗って、15分かけて桜島に渡ってみてください。きっといろんな発見があるはずです。火山灰が舞う中を歩くのも、たぶん「世界で唯一」の体験ですよ。

MBC 南日本放送 報道部 永野 志郎

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