コンクリートの寿命は、これまで50年程度とされてきた。これが倍の100年になる、そんな夢のような話が九州で実現した。しかもその材料は産業廃棄物の石炭灰だ。開発したのは、福岡市のベンチャー企業「ゼロテクノ」の岡田秀敏さん(67)。研究は12年前に始まった。
全国の火力発電所から大量に 排出される石炭灰をコンクリートの材料として再利用するのが目的だった。 石炭灰を特殊技術で熱処理することで新しいコンクリートの材料の開発に成功した。セメントに混ぜると化学反応を起こし、コンクリートのすき間を埋めていく。目が詰まることで強度と耐久性が格段にアップした。しかも滑らかで 型枠の隅々にまで入り込んで行く。作業性が上がるうえ、仕上がりも美しい。まさに次世代のコンクリートだ。公共工事などで試験的に使われるようになり、民間工事にも少しずつ広がりを見せている。?課題はコストだ。新しい材料を使うためどうしても1割ほど割高になる。 コスト削減には大量生産が必要だ。
この春、沖縄に全国で4か所目となる製造工場が完成した。塩分を遮断する効果もある「100年コンクリート」。?塩害に悩む沖縄の住宅事情の改善にも期待が高まっている。
<取材先データ>
会社名:ベンチャー企業 ゼロテクノ
担当者:岡田秀敏さん(おかだ・ひでとし)
住所:福岡市中央区舞鶴1丁目4-7-210
電話番号:092-771-6699
HP:http://www.zerotechno.co.jp/
全国の火力発電所から大量に 排出される石炭灰をコンクリートの材料として再利用するのが目的だった。 石炭灰を特殊技術で熱処理することで新しいコンクリートの材料の開発に成功した。セメントに混ぜると化学反応を起こし、コンクリートのすき間を埋めていく。目が詰まることで強度と耐久性が格段にアップした。しかも滑らかで 型枠の隅々にまで入り込んで行く。作業性が上がるうえ、仕上がりも美しい。まさに次世代のコンクリートだ。公共工事などで試験的に使われるようになり、民間工事にも少しずつ広がりを見せている。?課題はコストだ。新しい材料を使うためどうしても1割ほど割高になる。 コスト削減には大量生産が必要だ。
この春、沖縄に全国で4か所目となる製造工場が完成した。塩分を遮断する効果もある「100年コンクリート」。?塩害に悩む沖縄の住宅事情の改善にも期待が高まっている。
<取材先データ>
会社名:ベンチャー企業 ゼロテクノ
担当者:岡田秀敏さん(おかだ・ひでとし)
住所:福岡市中央区舞鶴1丁目4-7-210
電話番号:092-771-6699
HP:http://www.zerotechno.co.jp/
取材後記
「100年もつコンクリートがある」、この話を初めて耳にしたのは10年ほど前のことだ。
1人でカウンターで飲んでいた時に、偶然、隣で飲んでいた男性が、ベンチャー企業「ゼロテクノ」の関係者だった。 「一度、会社に遊びに来てください」と言われ、興味本位で訪ねた。プレハブ小屋だった。 迎えてくれたのが今回の主人公の岡田秀敏さん。
次世代コンクリートの素晴らしさを難解な専門用語でひたすら話していた。
すごい技術だということはわかったが、とにかく説明がコンクリートのように固くて難しい。 失礼とは思いながらも「すみません、もうちょっとわかりやすく教えてくれませんか?」とお願いし、 少しずつ次世代コンクリートのメカニズムを理解した。業界紙以外は新聞もほとんど取り上げない。
テレビでこの技術を取材しているのは私だけだ。テレビは一度見て理解してもらえなければ意味が無い。
最初にニュースで放送する際には、何度も何度も原稿を書き直した。 そして、ゼロテクノが一歩前に進む度に特集を組んだ。
9年で5回、同じ会社の同じ技術でこの特集の回数は異例のことだ。ただ、放送後には必ず反響がある。
また一歩前進、この繰り返しだった。画期的な技術だが、何といってもコンクリート、とにかく絵面が地味だ。
岡田さんは根っからの技術屋、インタビューも慎重な発言が多く地味だ。でも、だからこそ応援したくなる。 この素晴らしい技術が世界中に広がるのはいつだろう。それまで取材を続けよう。
1人でカウンターで飲んでいた時に、偶然、隣で飲んでいた男性が、ベンチャー企業「ゼロテクノ」の関係者だった。 「一度、会社に遊びに来てください」と言われ、興味本位で訪ねた。プレハブ小屋だった。 迎えてくれたのが今回の主人公の岡田秀敏さん。
次世代コンクリートの素晴らしさを難解な専門用語でひたすら話していた。
すごい技術だということはわかったが、とにかく説明がコンクリートのように固くて難しい。 失礼とは思いながらも「すみません、もうちょっとわかりやすく教えてくれませんか?」とお願いし、 少しずつ次世代コンクリートのメカニズムを理解した。業界紙以外は新聞もほとんど取り上げない。
テレビでこの技術を取材しているのは私だけだ。テレビは一度見て理解してもらえなければ意味が無い。
最初にニュースで放送する際には、何度も何度も原稿を書き直した。 そして、ゼロテクノが一歩前に進む度に特集を組んだ。
9年で5回、同じ会社の同じ技術でこの特集の回数は異例のことだ。ただ、放送後には必ず反響がある。
また一歩前進、この繰り返しだった。画期的な技術だが、何といってもコンクリート、とにかく絵面が地味だ。
岡田さんは根っからの技術屋、インタビューも慎重な発言が多く地味だ。でも、だからこそ応援したくなる。 この素晴らしい技術が世界中に広がるのはいつだろう。それまで取材を続けよう。
担当:RKB毎日放送 能見 信二
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