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進化する氷のカタチ

ビジネス
福岡県久留米市のアイスマンは、全国120か所の水産施設に納入実績がある産業用製氷機メーカーだ。スキー場の人工雪を始め、九州ではお馴染みのアイスクリーム「ミルクック」の氷もアイスマンの製氷機から作られている。

これまで製氷機は真水を凍らせるための機械で、用途も限られていた。しかし近年、海水から化学薬品まで様々な液体を凍らせてほしいと需要が拡大。アイスマンは自社で部品から製造することで大小様々な製氷機を手がけ、そのニーズに応えてきた。氷の搬出についての問題も解決した。従来の貯氷庫では、底の氷が固まって「根氷」となり人の手が入らないと排出が困難だったが、アイスマンは床全面を駆動式にした独自の貯氷庫を開発し、搬出システムの完全自動化を達成したのだ。さらに「0℃までしか冷やせない」という氷の常識を覆してマイナス温度まで冷やせる氷も開発され、あるレストランでは「氷結熟成」という魚の新たな調理法も編み出された。

そんなアイスマンは今、氷が手に入らず食材を新鮮に保つことができなかったアジアの国々にも製氷機を広めようと取り組んでいる。私たちの生活に関わるあらゆる産業を製氷機で支えるアイスマンを追う。

※2019年8月11日に放送された番組の再放送です。
■取材先
会社名:アイスマン株式会社
担当者:井植哲二 取締役営業部長
住所:福岡県久留米市宮ノ陣3-6-23
電話:0942-27-6600
HP:http://iceman.co.jp その他:問い合わせフォーム

取材後記

いつも使っている氷がこんな形で製造されているというのは、私自身も取材をするまで知りませんでした。

『企業秘密』ということで映像では紹介できませんでしたが、実は産業用製氷機は化学薬品や食品を凍らせるためにも使われています。そのほかにもインクや顔料、セメントの製造工程でも、発生する熱を冷ますために大量の氷が必要とされているそうです。

製氷機自体は40年前からあるものの、こんなに用途が広がったのはここ数年のこと。考えもしなかったような産業の会社から「これ、氷にできませんか?」と提案を受け、製品化が進むケースがほとんどだそうです。今、炭酸を含んだ氷を絶賛開発中というアイスマン。新しい氷の形はまだまだ広がりを見せてくれそうです。

担当:RKB毎日放送 ディレクター田尾彩美

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