手入れが面倒と敬遠されがちな皮革製品。実際、高温多湿な日本ではカビが生えてしまい、使えなくなったという声も多い。 熊本市にある「九州ホールセール」は皮革製品を専門に扱うクリーニング店。依頼は全国から寄せられ、個人はもちろん百貨店や一般のクリーニング店、さらに航空会社の手荷物トラブルの駆け込み寺にもなっている。
同社では“オーダーメイド的クリーニング法”、効率化を追及せずに“個々”の依頼に対応する方法をとっている。導入したのは運営責任者の藤木幸広(50)。革の状態を見極め、指先と目で確認しながら除菌、洗浄、乾燥、仕上げ作業を行う。
藤木はその技術の高さを科学的に証明するため、皮革クリーニングの仕上がりを第三者機関に検証を依頼し、日本で初めて数値化することに成功した。また、楽に革の手入れができるメンテナンス剤「レザーサプリメント」も開発し、特許を取得した。 さらに去年、新たに立ち上げたのが「楽器ケースのクリーニング」事業。唾液やメンテナンスの潤滑油が浸み込み、細菌の温床となる楽器ケースの洗浄にこれまでに培った技術を活用する。 「革は正解がなく、常に研究だから楽しい」という藤木の挑戦を追う。
同社では“オーダーメイド的クリーニング法”、効率化を追及せずに“個々”の依頼に対応する方法をとっている。導入したのは運営責任者の藤木幸広(50)。革の状態を見極め、指先と目で確認しながら除菌、洗浄、乾燥、仕上げ作業を行う。
藤木はその技術の高さを科学的に証明するため、皮革クリーニングの仕上がりを第三者機関に検証を依頼し、日本で初めて数値化することに成功した。また、楽に革の手入れができるメンテナンス剤「レザーサプリメント」も開発し、特許を取得した。 さらに去年、新たに立ち上げたのが「楽器ケースのクリーニング」事業。唾液やメンテナンスの潤滑油が浸み込み、細菌の温床となる楽器ケースの洗浄にこれまでに培った技術を活用する。 「革は正解がなく、常に研究だから楽しい」という藤木の挑戦を追う。
取材後記
運営責任者の藤木さんを始め、スタッフ皆が明るい。毎日の「3時のおやつタイム」では、お茶を飲みながら雑談に花が咲き、笑いがまきおこる。
しかし!ひとたび革に向き合うと表情が一転。厳しい目つきで黙々とクリーニング作業に勤しむ。革のステッチ…縫い目、1目1目の汚れにも妥協を許さない。その姿はまさに“職人”だ。 入社20年目になる藤木さんは、仕事を離れても革のことが気になるという。自宅にいても、買い物に行ってもブラシやスポンジ、ヘラなどを目にすると「これ、革洗浄に使えるかも」などと考えてしまうという。常に新しいことを考え出し、「その実験が楽しくて、楽しくて」と笑う。今は特許取得のメンテナンス剤「レザーサプリ」の改良と、新しい除菌剤の開発に取り組んでいる。
今年春、コロナの影響で世の中が除菌剤不足になった際は、工場で使う非売品の除菌剤をお客さんに無料で配った藤木さん。今一番心痛めているのが、7月に熊本などを襲った豪雨災害だ。 今回も被災者に対し「革に携わる者として何かできることはないか」と思案している。 「自分ができることをやっているだけ」と語る藤木さんには感服するばかりだ。
担当:RKK熊本放送 久保田泰代
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