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世界最強磁器が‘世界のARITA’を変える

2019年秋、業界の常識を覆す時計が誕生。文字盤が有田焼で出来ているのだ。
強くて薄い文字盤を可能にしたのが、佐賀県窯業技術センターで開発された 「世界最強磁器」の存在だ。一般的な磁器の4倍の強度を持ち、極薄に焼成しても割れにくい世界最強磁器。普通の磁器素材「天草陶石」と、工業用で強度が高い磁器素材の「アルミナ」から出来ている。

開発者の蒲地(かもち)伸明さん(49)によると「世界最強磁器の使用で、伝統的な窯元が工業など新たな分野に進出できる」いう。また既存の設備で、今までの工程を変えずに作成可能な素材であることが重要だ。成熟社会に突入し、多くの食器を買い替える機会が少ない現在、 食器以外の分野に進出することで有田の伝統を守ることが出来るのだ。

■取材先
会社名:佐賀県窯業技術センター
担当者:蒲地(かもち)伸明さん
住所:佐賀県有田町黒牟田丙3037-7
電話:0955-43-2185
その他:
■しん窯 0955-43-2215
⇒時計についてはセイコーウォッチにお問い合わせください
(セイコーお問い合わせフォーム) https://www.seikowatches.com/jp-ja/contact/online
■百田陶園 0955-42-2519 シンプルなデザインの食器

■224ポーセリン(ショップ) 0954-43-1220
アロマディフューザー

取材後記

今回の撮影を通じ、改めて感じたのは「有田のポテンシャルの高さ」でした。
ご紹介した窯元の皆さんが世界を見据えた創作活動を行っておられます。
そんな方々が「本当に凄い人」と口を揃えるのが、今回の主人公である蒲地伸明さんです。「一番難しかったのは研究室での結果と同じ性能を、民間の設備で出すこと」と 仰っていました。例えば「世界最強磁器」の陶土作成の場合、研究室ではキロ単位の陶土で実験しますが、実際の陶土工場では1トン単位で作るため攪拌が不完全だったり、と 納得の結果を出すまで10トン以上の陶土を使ったそうです。
蒲地さんは「新しく開発した素材を新分野に使い、従来の食器市場は守っていきたい」と考えられています。

1611年、李参平が有田で陶石山を発見して以来、世界基準の器を生み出した有田の、新しい挑戦にこれからも注目していきたいと思います。
担当:RKB毎日放送 石川 恵子

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