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プールの中に!?オランダの「循環型」オフィス【サステナ】

軽部明香里

オランダで、ある意外な場所の中にオフィスが誕生したことが話題になっています。そこで今回は、日本の映像メディアとしては初めて潜入リポートします!

一風変わったオフィスがあるのは、オランダの首都・アムステルダムに次いで人口が多い、第二の都市「ロッテルダム」。ヨーロッパ最大の港を抱え、近代的な建物が数多く立ち並ぶ街です。
その中に、先進的な街のイメージには似つかわしからぬ怪しい建物が。

エントランスには枯れた鉢植え、そして扉は閉鎖中…。
本当にオフィスなのかと疑問に感じつつ中に入ると、突如目の前に広がったのは全くオフィスらしからぬ光景!

えっ?この場所って一体?

実はここ、廃業した温水プールをコワーキングスペースに改装した施設なのです。名前は「Blue City(ブルーシティー)」。

ウォータースライダーがそのまま残っていたり、今椅子が並んでいる場所はもともとプールの中だったりと、各所に以前の名残が。

このユニークな発想がオランダ国内でも話題になり、トークイベントや撮影などにも利用される注目スポットになっているんです!

続いてプールのすぐ隣、2階建てのスペースにも潜入してみましょう。
ここにはオフィスや会議室があり、40社ほどの企業が入っています。
中にはディスコをオフィスに改装した場所も!各オフィスはガラスで仕切られていて、これは取り壊される裁判所の窓ガラスを200枚ほど譲ってもらい、再利用したもの。

おしゃれな吊るしランプは香水の広告パネルを使ったもので、電車の窓をそのまま再利用した部屋もあります。

オフィスを作るのに使われた資材のなんと9割は、別の建物などから得た廃材がベースというから驚きです!

とにかく施設自体がエコで十分面白いものなんですが、注目されているポイントは別にあるそうで…?続いて辿り着いた地下に見えてきたのは、本格的な研究ラボ!?

実はここに集まっているのは、どれも環境問題に取り組む企業ばかり。
ためた雨水を再利用してビールを作るブリュワーに、果物を使って革を作る会社…。

しかしそれだけにとどまらないのが、ブルーシティーのすごいところ。
例えば、コーヒーかすを菌床にしてマッシュルームを作る会社があり、そのマッシュルームを使ってブリュワーがビールを作り、そのビール作りで出た搾りかすを使ってお菓子を作る会社もあり…と、どこかの会社で使わなかったものを再利用するという「循環」の仕組みができているのです!
こうした「循環型の仕組み」が、現在オランダではビジネスで重要視されているそう。

設立から10年で、ブルーシティーには様々な分野の企業が集まり、協力し合いながら環境問題にアプローチする拠点へと成長しました。
建物の設計を担当した、建築家のヤン・ヨンハートさんはこのように話します。
「古い建物や素材を再利用するだけでは、環境へのインパクトは限定的です。『この場所でどんな活動をするか』が重要なのです。ここには40もの様々な企業が集まっています。彼らを結びつけて良い影響を与え合う環境をつくり、より大きな結果が生まれる場所になってほしいと考えています。」

(レポート:吉田 和充、文:軽部 明香里)

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この記事を書いたひと

軽部明香里

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アナウンサー、ナレーター、タレント、記者、そしてライター。東北で生まれ育ち、東京経由で九州へ。大好きな福岡と東京を拠点に活動中。またの名は、訛りすぎるアナウンサー・酒田倉子。時々出身地の山形弁を話す。<br>所属:<a href="https://litomon.jp" target="_blank" style="text-decoration: underline;">リトルモンスターエンターテインメント</a>