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災害現場で注目される鍼灸師、触れて「ストレス軽減」効果を期待

「タッチングケア」という言葉をご存じでしょうか。患者に触れることで緊張や不安を和らげるもので、鍼灸マッサージもその一つです。災害が起きた際、避難所でのストレスを軽減するため「タッチングケア」を行うケースが増えています。


◆避難所の狭い空間→ストレスで体調を崩すことも
福岡市博多区で鍼灸院を営む仲嶋隆史さん。25年前に開業し、体の不調を訴える患者に「はり」や「きゅう」の施術を行っています。鍼灸治療は体に刺激を与えて血行を良くしたり筋肉をほぐしたりすることでさまざまな効果が期待されています。

東雲鍼灸院・仲嶋隆史院長「私は少しの刺激でやることが多い。(使用しているはりは0.14ミリ、髪の毛と同じぐらい」

地震や豪雨などの災害が起きた際、危険から逃れ命を守るために集まる「避難所」。大きな災害になると長時間、限られたスペースに多くの人が身を寄せ合うことになりストレスを感じやすい空間です。体育館の床などに長時間にわたって横になると肩や腰に痛みを感じたり、自律神経のバランスを崩して体調が悪化したりするケースも少なくありません。

仲嶋院長「子供もいればお年寄りもいろんな人たちが避難所に来る、そういったときに皆さん最初は寝られないと思う。それが1日、2日と落ち着いてくると不安感になってくる」


◆福岡市では鍼灸師が無料で施術
「はり」や「きゅう」、マッサージなどには気持ちを和らげる効果もあり、災害支援にあたる関係者の間では「タッチングケア」と呼ばれています。中嶋さんはこれまでに熊本地震や、九州北部豪雨、西日本豪雨などで支援に携わってきました。避難所での施術は15分程度ですが、被災者の心に寄り添う活動で医療関係者から感謝されたこともあったといいます。


◆いつ起きるかわからない災害に備え
2018年には全日本鍼灸マッサージ師会と日本鍼灸師会が合同で災害支援に取り組む組織を立ち上げました。全国で約400人が登録していて、今年7月にも講習会が開かれる予定です。また、福岡市と市の鍼灸師会は2021年に協定を結び災害時に、市から要請を受けた鍼灸師が無料で施術を行う取り組みを始めました。被災地では折り畳み式の簡易ベッドなどを持ち込み、普段と変わらない施術を心がけているという仲嶋さん。いつ起きるかわからない災害に備えています。

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