アナウンス部に配属されて2カ月がたった。毎朝、不安と緊張、そして期待で、アラームより先に目が覚める。出社すると「橋本アナウンサー」と呼ばれ、そのたびに胸が高鳴る。そして、全身に伝わってくる鼓動を感じマイクの前に向かう。
先日、高校時代の詩集を見つけた。タイトルは「5年後の自分から」。18歳の私が、23歳の自分になりきって書いたものだ。そこには、「私はアナウンサーの夢をかなえました。18歳の私、憧れすぎた夢をかなえなさい」と書かれていた。
夢を口にしてしまえば、目標に向かって行動あるのみ。あきらめようと思ったこともあったが、公言してしまった事実が私を踏みとどまらせた。
そして今、悩むことも多くあるが「アナウンサーを志してよかった」と毎日感じる。日々のニュースを伝える時。ナレーションの収録。ラジオで自分のことを話したり、番組宛のメールを読んだりしている時。一瞬一瞬が楽しくて仕方がない。
しかし、「アナウンサーになること」が最終目標ではない。「系列局アナの新人賞を獲る」という一つ目の目標がある。新たな目標を掲げることは怖いが、目標がないまま時間が過ぎていくことの方が怖い。実は今日初めてテレビの昼ニュースを担当する予定。まずは今日のニュースから、いつどこで誰が聞いても伝わるものにしたい。
7月29日(土)毎日新聞掲載
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