福岡県の田川地区8市町村が大任町に委託して建設中のごみ処理施設をめぐり、田川市の村上卓哉市長が会見し「大任町の永原町長から、情報公開するなという趣旨の圧力を感じるような発言があった」と明らかにした。あわせて、約1時間に及んだ永原町長とのやりとりを記録した音声データを公表した。
大任町の永原町長が田川市長と面会
問題となっているのは、福岡県田川地区8市町村が大任町に委託して建設中のごみ処理施設。7日田川市役所で会見を開いた福岡県田川市の村上卓哉市長によると、6月23日に大任町の永原町長が田川市役所を訪れた。田川市が受けた情報開示請求について、村上市長に対し文書を出さないでくれという趣旨の発言をしたという。
田川市長の会見要旨
・永原町長から「(開示請求のあった文書は)前の市長の時代に出さないという申し合わせがあった。行政の継続性という意味でも市長が変わったからといって開示されたら困る」「信義を守れないなら今後一切田川市とは連携しない」と言われた。
・永原町長から「開示するなら、田川市からごみの焼却灰はうけとらない。高いところに持っていきなさい」という話が繰り返された。市民生活に直結するので重くうけとめた。市民生活を盾にして要求されたので圧力と感じた。
・永原町長から「文書の一部を書きかえて出せばいいじゃないか」と言われたが「それはできない」と回答した。
・情報開示は、情報開示請求を受けた自治体が判断すべき問題。ほかの自治体が口をはさんでくるというのは地方自治の根幹を揺るがす。健全な情報公開制度の妨げになっていると思う。
田川市長「嘘をいっていないことを証明するために公表した」
大任町の永原町長は、ごみ処理施設の組合長として7月14日の田川市議会・全員協議会に出席し事業について説明した。その際、村上市長への圧力の有無を問われ「圧力はかけていない」という趣旨の発言をしていた。8月7日の会見で、村上市長は、「市民やメディアが傍聴しネットでも公開している公の場で『嘘つき、嘘をついている』との発言があった。それは事実と違うということを説明するために、やりとりを公表した」と説明した。永原町長の許可を得て録音したものではないが、何らかの要求があるかもしれない。市として記録に残したほうがいいと思った」としている。
田川市は文書を開示した。
情報開示請求のあった文書については、その後公開されている。
大任町は
田川市・村上市長の会見について大任町に確認したところ、「田川市長の会見の内容がわからないためコメントのしようがない」としている。
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